【第1回】土屋ケアカレッジカンパニー主催 特別フォローアップ研修

【第1回】特別フォローアップ研修 〜改めて考える優生思想〜

土屋ケアカレッジカンパニーでは、障害者福祉の歴史と文化に対する理解を深めるために、障害者運動の第一人者である安積遊歩氏を招き、特別フォローアップ研修を開催しました。

登壇者

<プロフィール>

安積遊歩(あさか ゆうほ)

1956年、福島県福島市 生まれ

骨が弱いという特徴を持って生まれた。22歳の時に、親元から自立。アメリカのバークレー自立生活センターで研修後、ピアカウンセリングを日本に紹介する活動を開始。障害者の自立生活運動をはじめ、現在も様々な分野で当事者として発信を行なっている。

著書には、『癒しのセクシー・トリップーわたしは車イスの私が好き!』(太郎次郎社)、『車イスからの宣戦布告ー私がしあわせであるために私は政治的になる』(太郎次郎社)、『共生する身体ーセクシュアリティを肯定すること』(東京大学出版会)、『いのちに贈る超自立論ーすべてのからだは百点満点』(太郎次郎エディタタス)、『多様性のレッスン』(ミツイパブリッシング)、『自分がきらいなあなたへ』(ミツイパブリッシング)等がある。

2019年7月にはNHKハートネットTVに娘である安積宇宙とともに出演。好評で再放送もされた。

テーマ

『改めて考える優生思想』

開催概要

目的:
・障害者福祉の歴史と文化に対する理解を深め、社員の意識改革を促す。
・講師の経験と知見を共有し、社員の学びを深める。
・障害を持つ方への理解を促進し、共生社会の実現に貢献する。

開催日: 7月10日(木)
開催場所:オンライン
対象:土屋グループ全従業員
主催:土屋ケアカレッジカンパニー

開催レポート

土屋ケアカレッジカンパニーでは、障害者福祉の歴史と文化に対する理解を深めるために、障害者運動の第一人者である安積遊歩氏を招き、特別フォローアップ研修を開催する運びとなりました。

この背景には、2024年11月以降、入社時の統合課程研修の内容が一部変更され、障害当事者の方より「障害者福祉の歴史」に関する貴重な話を聞く機会が失われたことがあります。

かつ、以前にそれらの話を聞いていただいた方であっても、時の経過とともに記憶も薄れていくことから、定期的な研修会を通じて、常に正しいマインドを持ち続けることの必要性を感じています。

第1回の研修では、安積遊歩氏の幼少期から結婚、出産などの人生遍歴や、これまでに受けた数々の人権侵害、そして「優生保護法」との闘いを通して、「優生思想とは何か」についての貴重なお話しがありました。

また、ブレイクアウトルームを用いた少人数によるディスカッションも行われ、参加者からは様々な質問や感想が飛び交うなど、大いに学びを深められた研修となりました。

参加者の声

研修会後のアンケートでは、さまざまなご回答をいただきました。その中から一部を省略・抜粋・改変の上、記載します。

「改めて優生思想を考える機会になった」

「現在でも根強く残っている考え方であることを認識した」

「自分の中に優生思想はないと言い切れるか」

「多様性を尊重する社会を作るには、目に見えない偏見にも気づき、問い直していくことが大切だと思う」

「命の存在、重みについて考えさせられた」

「一般社会においても生産性が高い人ほど理想とされるのならば、私たちの日常の中にも静かに優生思想は存在していると感じられた」

「劣る、劣っていないということで判断せず、誰にでも尊重・尊厳をもって接することが人生を豊かにすることを学べた」

「管理者という立場から偏った目でアテンダントを見ていないかと考えさせられた。それぞれの個性を活かしていきたい」

「クライアント本人にとっての良い支援が何かを、相手の立場に立って考えることが重要だと感じた」

「クライアントと色んなことを体験し、一緒に楽しんでいきたい」

「重度訪問介護の職に携わる自分には何ができるか?まずは身近な方達から、優生思想について話しをしていきたい」

「生まれた時から、社会は優生思想を無意識に刷り込まれていると改めて思った」

「知らないということは恥ずかしい。これからも、もっとたくさん知りたいと思った」

「優生保護法も勝ち取るために戦ってきた方がいたらから出来たことを理解した」

「自分の中に優生思想があることに気付かされたことがショックだった」

「『差別をしない。無知、無関心、無視をやめる』という言葉が響いた。相手をよく知ること、そして自分を大切にすることで、相手も大切にできると思った」

「時間がない、気持ちに余裕がないを言い訳にせず、少しでも関心を持ち行動に出ることが大切だと改めて感じた」

「科学や医療の発展は大切だが、それが個人の尊厳を損なうことがあってはならないと感じた」

「出生前診断も命の選別となり、新たな社会差別を生じる可能性がある。出生前診断が当たり前で、それをせずに産まれた子どもは親の自己責任等とする思想が起こり得ると思う」

「障害者は医療の対象となる。社会に合わせるのではなく、社会が寄り添ってくれるという言葉が印象的だった」

「優生思想という言葉は知っていたが、自身の身近にあるものという認識は薄く、自身が差別をしているという認識も全なかった。もっと細部にまで心を配り、全ての人たちに対し平等に接することができているかを振り返る必要があると気づいた」

「自分の中にある無意識に優劣をつけてしまっている部分について改めて考えることができた」

「日本が変わってきているのは、声を上げているからこそだと学んだ」

「『優生思想をなくすためには外出してください』と仰っていたのが心に刺さった」

「人は成果や結果によって価値づけられる存在ではなく、『ただここに在る』ということそのものが尊く、かけがえのないものなのだと感じる。重度訪問介護という分野に携わる私たちだからこそ、社会に伝えられることがたくさんあることを実感した」

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