2023年介護福祉士試験を徹底解説!気になる変更点や、近年の傾向は!?

例年1月下旬に実施される介護福祉士国家試験は、介護福祉士の資格を取得するためのその年唯一の試験です。

1987年に制定された社会福祉士および介護福祉士法によって国家資格に認定された介護福祉士は、日本の超高齢化社会において非常に重宝される存在となっています。

また介護福祉士の資格は介護職のなかで唯一の国家資格であることから、取得することによって資格手当の支給や責任のあるポジションへの配置転換などが期待できます。

今回は「2023年介護福祉士国家試験」における試験動向や前年度からの変更点についてご紹介いたします。

2023年に実施された第35回介護福祉士国家試験の内容をしっかりと把握した上で、2024年以降の介護福祉士の資格取得を目指しましょう。

2023年介護福祉士試験の実施要項

第35回介護福祉士国家試験は、2023年1月29日(日)に筆記試験が、2023年3月5日(日)に実技試験が行われました。

試験地は筆記試験が全国35試験地、実技試験が2試験地と、実施要綱に大きな変更はありませんでした。

参照▶第35回介護福祉士国家試験『受験の手引』(一部抜粋版)(公益財団法人社会福祉振興・試験センター)

2023年介護福祉士試験 筆記試験の項目

第35回介護福祉士国家試験の筆記試験では、4領域12科目と総合問題を合わせた13科目から問題が出題されました。

13科目の構成は以下の通りです。

午前実施(100分)

  • 人間の尊厳と自立
  • 人間関係とコミュニケーション
  • 社会の理解
  • 発達と老化の理解
  • 認知症の理解
  • 障害の理解
  • こころとからだのしくみ
  • 医療的ケア

午後実施(120分)

  • 介護の基本
  • コミュニケーション技術
  • 生活支援技術
  • 介護過程
  • 総合問題

2023年からの変更点その①出題科目順の変更・試験時間の変更

2022年までの試験と比較して、出題の順番が変更になっています。

具体的には、昨年までは午前中に人間と社会の領域・介護の領域・こころとからだの領域、午後に医療的ケア・総合問題の順で出題されていました。

これが2023年より午前中に人間と社会の領域・こころとからだの領域・医療的ケア、午後に介護の領域・総合問題という出題順に変更になりました。

この変更に伴って、2022年以前は午前・午後共に110分ずつの試験時間であった設定が、午前100分・午後120分に変更になりました。

2023年からの変更点その②チームマネジメントに関する試験内容の追加

2023年実施の第35回介護福祉士国家試験で最も大きな変更点といえるのが、介護福祉士の教育内容見直しに伴う、出題基準の変更です。

近年の日本では超高齢化社会が加速を続けており、地域ケアや認知症ケアなどのニーズ、そして介護と医療の密な連携の必要性が高まる一方です。

このような介護現場においてチームマネジメントが非常に重要なことから、人間関係とコミュニケーションの科目の出題が2問増加し、チームマネジメントに関する出題が行われるようになりました。

この変更に伴い、コミュニケーション技術の出題は2問減っています。

参照▶第35回介護福祉士国家試験『受験の手引』(一部抜粋版)(公益財団法人社会福祉振興・試験センター)

参照▶介護福祉士国家試験科目別出題基準 (公益財団法人社会福祉振興・試験センター)

近年の介護福祉士試験の傾向

介護福祉士国家試験は、ここ5年ほどの合格率が70%前後で推移しています。

介護福祉系の学校を修了している方や、実務経験者しか受験資格が与えられない試験においても30%程度の方は不合格となっていますので、事前の受験対策が必須です。

2020年から2022年までの介護福祉士国家試験では合格基準がやや高い傾向にあり、合格点が75点以上に設定されています。

2023年度の第35回介護福祉士国家試験の合格基準も直近3年間の平均程度と推測されています。

2024年度以降も引き続き、自己採点で80点を獲得することができれば合格が確実といえそうです。

2023年からの傾向その①山場は午前中

出題科目の順番変更に伴って、多くの人が得点を伸ばしにくい社会の領域と医療の領域の出題が午前中になりました。

試験時間も午前中の方が短くなっていますので、焦る気持ちからミスをしてしまったとの報告も多数寄せられています。

10時の試験開始時刻にはベストなコンディションで試験に臨む準備ができているよう、あらためて普段の生活習慣を整えていきましょう。

また午前中で「失敗した」「もうだめかも」と感じてしまっても、午後の方が難易度が優しく、巻き返せる可能性が高い出題になっています。

午後には気持ちを切り替えて、確実に点数を積み上げていきましょう。

2023年からの傾向その②2025年問題・2040年問題を見据えた試験問題の内容に

近年の日本の介護で大きな問題となっているのが、2025年問題と2040年問題です。

2025年問題とは、団塊の世代と呼ばれる戦後の復興期(1947〜1949年)に生まれた人たちが75歳を迎える問題です。

60歳以上の高齢者が人口の30%、そのうち75歳以上の後期高齢者が人口の18%を占めることになり、介護職員の不足も懸念されています。

そして2040年問題は、さらに超高齢化が加速する一方で、2025年から2040年にかけての15年間で、20歳から64歳までの現役世代の人口が約1,000万人減少する問題です。

2027年ごろに75歳以上の人口数が現役世代の人口数を上回った後は、より高齢者の介護や認知症ケアにおける介護職の重要性が高まっていくと考えられています。

そのため2023年実施の介護福祉士試験では、より良い介護を実現するためのチームマネジメントに関する問題の出題範囲が増えました。

今後も地域社会でクライアントを見守るための実践力や、介護と医療の連携による介護サービスの拡充など、超高齢化社会に適応していくための内容が中心に出題される傾向が高まると予測されます。

過去問を確認することも大切ですが、資格取得スクールの試験解説なども積極的にチェックして、2024年以降の出題傾向に注意しておきましょう。

参照▶今後の高齢者人口の見通しについて(厚生労働省)

2023年介護福祉士試験を踏まえた試験対策は、土屋ケアカレッジで!

今回は、2023年に実施された第35回介護福祉士国家試験の変更点や近年の傾向から、2024年に実施予定の第36回介護福祉士国家試験に備えた分析をご紹介いたしました。

介護を取り巻く状況の変化に応じて今後も試験内容に変更の可能性がある介護福祉士試験ですが、実務経験を積みながらその動向をチェックすることは時間的にも体力的にも非常にハードです。

土屋ケアカレッジの「介護福祉士国家試験講座」なら、前年度までの試験情報をプロの視点で分析し、全2回のオンライン講座で分かりやすく解説を行います。

今後の介護に役立つ知識についてもご紹介していきますので、介護福祉士としてのキャリア形成に自信がもてること間違いなしです。

介護福祉士国家試験講座の詳細は、どうぞお気軽に土屋ケアカレッジまでお問い合わせください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!