高齢化が進むなかで、介護職の需要は高まっており、他職種から介護士への転職に挑戦する方も増えています。
違う職種から介護業界に挑戦される方にとって、受験資格が問われずに受講できる介護職員初任者研修資格は、基礎的な知識や技術を学べるとして人気の資格です。
現在、介護職以外で働いている方や、すでに資格を持たずに介護職として働いている方にとって「現在の仕事を続けながら資格を取得することができるのか」「どのような形式で学んでいくのか」気になるところではないでしょうか?
この記事では、介護職員初任者研修資格の概要や受講形式について解説します。
介護職員初任者研修資格はオンラインだけで取得できるの?
まずは、介護職員初任者研修はオンラインだけで取得できるのか解説します。
残念ながら、介護職員初任者研修資格は完全オンライン形式では取得できない資格です。
通信講座を実施しているスクールや養成機関はありますが、基本的に「通信+通学」の講座として実施されています。
それでは、どの程度の期間や回数を通学しないといけないのでしょうか。
初任者研修の研修時間は合計130時間で、実技を学ぶ時間が89.5時間、座学で学ぶ時間が最大40.5時間で構成されています。座学で学ぶ40.5時間を通信講座で学び、実技の89.5時間を通学で学ぶのが「通信+通学」の基本的な形式です。
土屋ケアカレッジの介護職員初任者研修「初任者コース」のスケジュールでは、通学が13回設けられています。最低でも週に1回はスクールに通う必要がありますが、通学日程は固定されており、全日程が出席可能かを確認したうえで、講座に申し込む必要があります。
働いている方にとって、固定で休む必要があるのは不安かもしれませんが、やむを得ず欠席する場合は他コースで振替受講が可能です。
受講期間は最短コースと通常コースにわかれており、通学をまとめた最短コースでは約1ヵ月で介護職員初任者研修資格が取得できます。
通常コースでは、週1回の通学で約3ヵ月で取得可能です。
自分のペースに合わせた無理のないコースが選べるので、働きながらでも「通信+通学」形式なら資格取得に挑戦できるでしょう。
介護職員初任者研修の学習内容
ここでは、介護職員初任者研修の学習内容についてみていきましょう。
介護職員初任者研修の学習内容は、厚生労働省によって定められており、研修時間は合計130時間で、実技を学ぶ時間が89.5時間、座学で学ぶ時間が最大40.5時間で構成されています。
また、研修時間合計130時間とは別に、筆記試験による修了評価(1時間程度)の実施が義務付けられています。
各カリキュラムについて、下記に表でまとめているのでご参照ください。
1.職務の理解 | 6時間 |
2.介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
3.介護の基本 | 6時間 |
4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
5.介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
6.老化の理解 | 6時間 |
7.認知症の理解 | 6時間 |
8.障害の理解 | 3時間 |
9.こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
11.振り返り | 4時間 |
合 計 | 130時間 |
介護職員初任者研修の通信講座(オンライン講座)の流れ
介護職員初任者研修資格の受講形式についてわかったところで、ここからは介護職員初任者研修の通信講座(オンライン講座)の流れについてみていきましょう。
大きく以下の流れに分けられます。
- 講座に申し込みをする
- 教材到着
- 自宅学習+通学講習
- 修了試験
それぞれ詳しく解説します。
1.講座に申し込みをする
まずは、受講するための要件ですが、介護職員初任者研修資格に受講要件はありません。だれでも受講できるので、通いたいスクールに資料請求をしてみましょう。
受講講座の日程について確認し、全日程が受講可能であれば申し込みが可能です。
講座受講費用はスクールによって異なりますが、おおよそ5万円~8万円台が一般的です。
介護職員初任者研修資格は教育訓練給付制度の対象講座のため、この制度が利用できる方は講座受講料の20%(最大10万円)が支給されます。自分が支給対象かどうかは、厚生労働省のサイトで教育訓練給付制度について詳しく説明されているのでそちらを参考にしてください。
さらに、各スクールによっては受講料割引キャンペーンが実施されていてお得に受講できる場合もあります。受講講座の日程に問題なければ、いつでも申し込み可能です。
ただし各受講日程に定員があるので、気になるコースがある方は早めに申し込みをしましょう。
2.教材到着
申し込み後に、自宅に教材が届きます。まずは、教材を確認して学習計画を立てましょう。
自宅で学習をすすめる必要があるので、無理のない学習計画が重要です。
働いている方は、仕事の日でも学習をすすめる必要があるでしょう。
介護職で働き始めた時には覚えることも多く、家での学習まで手が回らない場合も多いとは思いますが、通信教材は実際の介護業務で使える実践的な内容ばかりです。
教材で理論的な部分を学び、学んだ知識を演習で実際に使ってみるとかなり効率的に学べます。
「いきなり通学で演習なんて不安」と感じている方も、通学時の実技演習前の下準備として、基本的な内容が学べるので安心です。
3.自宅学習+通学講習
自宅で介護の基礎知識を学び、通学では介護の基礎技術を実践していきます。
実技演習では、介護を受ける側と提供する側に分かれ、基礎介護技術を実際に体を動かしながら学んでいきます。
介護の現場で働いてきた介護のプロである講師がお手本を見せてくれることもあるので、自分の技術と何が違うのか見ておきましょう。
自宅学習でインプットした内容を、実技演習でアウトプットすることで、正しい介護の知識や技術が習得できます。
実際の介護の場面を想定しながら実技演習はおこなわれるので、働き始めた後も安心です。
4.修了試験
介護職員初任者研修には修了試験が義務付けられており、試験に合格すると資格が取得できます。
試験は学んだ内容を振り返るもので、難易度は高くありません。
もし合格できなければ再試験もおこなわれますが、真面目に学んできた人は不合格になることはないでしょう。
修了試験に合格した方には、全国で使用できる修了証明書が発行されます。資格保有の証明となるので、大切に保管しましょう。
介護職員初任者研修は「通信(オンライン)+通学」形式で学ぶ必要がある
ここまで、介護職員初任者研修資格の受講形式や受講の流れについて解説しました。
介護職員初任者研修は受講要件がないので、だれでも受講できる資格です。
残念ながらオンライン上だけで資格を取得することはできませんが、「通信(オンライン)+通学」形式で学ぶことは可能です。最短で約1ヵ月、働きながらでも約3ヵ月で取得できます。
介護職員初任者研修を受講すれば、正しい介護の知識と技術が身に付くので、気になる方はぜひ挑戦してみましょう。
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