介護の入門資格といえば「初任者研修」であり、初任者研修の上の資格は「実務者研修」です。
初任者研修と実務者研修は学歴や介護の実務経験は必要なく誰でも取得できる共通点があるため「両方取得する必要はあるの?」「上の資格の実務者研修を取得すればいいのでは?」など疑問に思う方が多いでしょう。
そこで初任者研修の必要性と上の資格である実務者研修、介護福祉士についても解説します。
これから介護の仕事に挑戦したい方、介護現場で働きながら資格を取得してキャリアアップしていきたい方はぜひ参考にしてください。
代表的な介護資格
介護の資格はさまざまありますが、代表的な資格は「初任者研修」「実務者研修」「介護福祉士」です。
介護福祉士は介護分野で唯一の国家資格のため、キャリアアップのために介護福祉士の資格をめざす方が多いです。介護福祉士は国家試験を受けるためには受験資格が必要ですが、初任者研修と実務者研修は誰でも取得することができます。
それぞれ詳しく解説します。
初任者研修とは
初任者研修は、正式には「介護職員初任者研修」といいます。介護の入門資格で、基本的な介護の知識や技術を学びます。学歴や介護の実務経験は必要なく、誰でも資格を取得できます。
初任者研修は130時間のカリキュラムで、最短では1か月で取得が可能です。
未経験、無資格でも介護施設では働けます。しかし基本的な知識や技術を学んでから介護現場に臨んだほうが自信をもってクライアントと接することができ、実践での知識や技術の吸収力も高まります。そのため働く前か働き始めてからでも早い段階での取得をおすすめします。
なお訪問介護でヘルパーとして働く場合には、初任者研修以上の資格が必要です。
実務者研修とは
実務者研修は、正式には「介護福祉士実務者研修」といいます。初任者研修の上に位置づけられた資格で、より専門的な知識や技術、医療的ケアを学びます。
初任者研修の上の資格ですが、初任者研修を取得していなくても取得可能です。初任者研修と同じく学歴や介護の実務経験に制限はなく、誰でも取得できます。
実務者研修は450時間のカリキュラムがあり、期間は6か月必要です。なお初任者研修などの保有資格により免除になるカリキュラムがあります。
実務者研修は「実務経験ルート」で介護福祉士国家試験を受験するために必須の資格です。実務経験ルートとは、福祉系の学校で学ぶのではなく介護現場で実務経験を積んで受験資格を得るルートをいいます。働きながら介護福祉士国家試験をめざすためには、実務者研修は取得しなければならない重要な資格です。
介護福祉士とは
介護福祉士は介護分野で唯一の国家資格であり、高い知識と技術を兼ね備えた介護のプロである証明になります。
介護福祉士の求人は数多くあり、教育担当や現場のリーダー、マネジメント職としての活躍も期待されるため、待遇アップも望めます。また介護福祉士としてさらに5年以上の実務経験を積めば、介護支援専門員(ケアマネジャー)や認定介護福祉士もめざせます。
初任者研修は必要?取得するメリット
初任者研修も実務者研修も、学歴や介護の実務経験は必要なく誰でも取得できるのであれば、介護福祉士国家試験に必要な実務者研修だけ取得すればいいのではないかと考える方もいるでしょう。
しかし介護の実務経験がない、または経験が浅い方がいきなり実務者研修のカリキュラムをこなすのはハードルが高いです。なぜなら初任者研修で学ぶ基本的な知識や技術は習得していることが前提でカリキュラムが進められるからです。
初任者研修を取得していれば、初任者研修のカリキュラムで学んだ130時間は免除となり、研修期間が短くなるメリットもあります。そのため介護の仕事を始める前か、未経験で介護の仕事を始めた場合でも早い段階で初任者研修を取得し、実務経験を積んで段階的に実務者研修、介護福祉士へとステップアップしていくのがおすすめです。
資格別のお給料の比較
段階的に資格を取得して実務経験を積んでいくことをおすすめしましたが、知識や技術の習得以外にもおすすめする理由があります。それは保有資格によりお給料に差があるためです。
令和4年度の厚生労働省の調査による保有資格別の平均給与は以下の通りです。
介護職(常勤)全体 | 317,540円 |
資格なし | 268,680円 |
介護職員初任者研修 | 300,240円 |
介護福祉士実務者研修 | 302,430円 |
介護福祉士 | 331,080円 |
保有資格によりお給料に差があるため、よりよいお給料のためには資格取得がかかせません。
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資格を取得してキャリアアップして、介護業界で活躍していこう
本記事では、初任者研修の必要性と上の資格である実務者研修、介護福祉士についても解説しました。
資格取得にはお金と時間がかかること、また仕事との両立も大変なため、負担に感じる方が多いでしょう。
しかしいくらやりがいがある仕事でも、キャリアアップやお給料アップが望めなければ、長く続けていくことは難しくなります。したがって長く活躍していくために、そしてキャリアアップやお給料アップのためには資格取得は必須といえます。そして知識や技術が高まれば自信をもって仕事ができ、さらなるやりがいにもつながります。
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