初任者研修の課題はレポート丸写しでは通用しない!例文付きで書き方を解説

介護職員初任者研修では、何度か「レポート課題」の提出が求められます。

理解度を測るための課題となり、自分で考え記述しなければならない箇所もありますので、レポート丸写しやテキスト丸写しは通用しにくいです。

そこで当記事では、レポート課題の書き方や注意点について、例文付きで解説します。

レポート作成が苦手な方、何を書けばよいかわからない方などはぜひご参考ください。

初任者研修の「レポート課題」のしくみ

初任者研修のレポート課題にはいくつかタイプがあり、レポート丸写しができる課題とできない課題があります。

以降では、レポート課題のしくみを一から解説します。

レポート課題の特徴

介護職員初任者研修は「講義」と「実技演習」の大きく2つの構成からなり、レポート課題の提出が求められるのは講義の方です。講義というのは、テキストを使って介護に関する知識を学ぶ座学のことを指します。

そして講義の理解度を測るために、3〜5回程度(回数はスクールによって異なる)、レポート課題の提出が求められます。

レポートといっても、論文のようなものではなく、200~500文字程度の簡易なレポートです。落とすためのものではなく、理解度を測るためのものであり、提出後は担当講師が添削してくれます。

ただし、だからといって適当で良いわけではなく、研修の一部でもありますので、しっかりと作成する必要があります。

レポート丸写しができる課題とできない課題

初任者研修ではレポート課題を3〜5回程度提出する必要があり、基本的には回数を重ねる毎にレポートの難易度も上がっていきます。

また、レポート課題の中には、丸写しができる課題とできない課題があります。

レポート丸写しができる課題問われている問題に対し明確な答えを提示する課題。「テキストや言葉の意味を理解したか」「テキスト掲載場所を把握しているか」を問うものであるため、基本的にテキストの丸写しで問題なし。
記述式課題
(レポート丸写しができない課題)
「テーマ」に応じて、これまでに学んだ知識を交え論述する課題。テキストからの丸写しはNGであり、知識をつなぎ合わせ、自分の言葉でまとめる必要がある。

記述式課題で出題されるテーマの例:
・「4つの指定キーワードを用いて、介護を提供する上での留意点を500文字程度で述べよ」
・「ノーマライゼーションの考え方を交え、介護サービス提供の視点について述べよ
・「介護での尊厳・自立支援について述べよ」
・「ノーマライゼーション実現のために必要なことを述べよ」
など

一般的に難易度が高いとされているのが、後者の「記述式課題」であり、テキストの丸写しもできないため、それまでの講義を総合的に理解しているかが問われます。

レポート課題の例文を紹介

記述式課題の中でも、4つのキーワードを用いて回答するテーマは、特に難易度が高めです。

そこで以下に例文を記載します。レポートを作成する上での参考としてご活用ください。

【想定テーマ】
「尊厳の保持」「QOL」「ノーマライゼーション」「自立支援」の4つのキーワードを用いて、介護を提供する上での留意点を500文字程度で述べよ。

【例文】
介護サービスを提供する者として、被介護者の尊厳を保持することを常に頭に入れて行動する必要がある。

かつ、被介護者はそれぞれで人格や重んじる価値観が異なり、尊厳の保持するためにすべきことは、被介護者によって一様でないことも留意しておかなければならない。

そして、被介護者が自助・自立ができないもしくは一部制限されている弱者であること、介護サービスを提供する者は、たやすく被介護者の尊厳を損なうことができる立場にいることを忘れてはならない。

被介護者の尊厳を尊重することで、自分らしい生き方、自分らしい生活のあり方の確立を促せ、結果的にそれはQOLの実現につながっていくことになる。

さらに、QOLの実現を目指すことは、ノーマライゼーションのあり方にもつながっていくことになる。

しかし、被介護者はそれぞれで身体の状態、保持している能力などが異なるため、地域社会の中でどのような役割を担えるかは、各被介護者によって変わってくる。

したがって、その人が行えることを適切に把握し、どういった形で地域社会に参加していくかを十分に模索する工程が欠かせない。そのために具体的な施策をもって支援を行うことが自立支援の本質であり、ノーマライゼーションの実現にもつながっていく。

ただし、現実的に考えると被介護者が完全に自立することは難しいため、被介護者であることを念頭に置き、今ある能力を最大限活用した上で、できる範囲での社会参加を目指す必要がある。

ノーマライゼーションの実現へ向けた制度や仕組みがより整備されることを期待しつつ、一人の介護サービスを提供する者として、目の前の被介護者の方の助けとなれる存在を目指したい。

以上の例文のように、提示されたキーワードをすべて盛り込み、問われている内容を簡潔に論述することになります。

問われているすべてのキーワードそれぞれの意味を理解しておかないと不十分な内容になってしまうため、まずはしっかりと各キーワードの意味を確認しておくことが重要です。

レポート課題を書く上でのポイント4つ

記述式課題は丸写しができず、自分で一から文を考えていかなければならないため、戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、以降ではレポート課題を書く上でのポイントやテクニックについて解説します。

1.問われている内容を意識する

たとえば前述した「4つのキーワードを用いて、介護を提供する上での留意点を述べよ」のテーマであれば、最終的に問われているのは「留置点(心に留めて気をつける点)」です。

そのため、単にキーワードについての説明を並べるだけでなく、その上で留置点は何かについて論じる必要があります。

もしこれが「留置点を述べよ」ではなく「課題を述べよ」という設問であれば、課題について述べる文として書き上げる必要があります。

そのように「問われているのは何か」を意識した上で書くことがポイントとなります。

2.簡潔に要点をまとめる

レポート課題は簡潔に書く必要があります。文字数を満たすためにわざと長く書いたりするのは望ましくありません。

具体的には、以下のようなポイントに気を付け、要点をまとめます。

  • 論述する上で不要な文、余計な話などは省く
  • 同じ内容の繰り返しになっていないか
  • 話が脱線したり、あちらこちらに飛んでいないか  など

3.曖昧な表現は避ける

レポート課題は、講義の内容を理解できているかを測るために行っています。そのため、「曖昧な表現」「どうとでも捉えられるような表現」は避けるようにしましょう。

「だろう」「かもしれない」のような、根拠なく推測するような話も避けるのが賢明です(ただし内容にもよる)。

4.ラフな表現は避ける

レポートですので、SNSやブログで書くようなラフな文章表現は避けるべきです。

具体的には、以下のようなラフな表現は避けましょう。

  • 「〇〇なんです」「だけど」「ちゃんと」などの話し言葉
  • 「!」「?」「・・・」
  • 「ビックリ」「ドキドキ」
  • スラング系の言葉  など

講義や介護に対しての理解を深めることがなにより大切

繰り返しとなりますが、初任者研修のレポート課題は、理解度を測るための課題です。

チェックされているのは、文章力よりも「講義の内容を理解しているか」「介護職員としての基礎知識を備えられているか」の部分です。

そのため上手くレポートが仕上げられない場合は、いま一度講義やテキストの内容を見直し、理解を深めることも一つの解決策となります。

しっかりと理解を深められれば、意外なほどスラスラとレポートが書き上げられることもあるのです。

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