愛する手には花束を~人は繋がる意味がある

土屋ケアカレッジ北海道 加納康行

皆さんこんにちは。土屋ケアカレッジ北海道の運営を担う加納康行です。
平日はカレッジ、週末はクライアント支援を行っています。やりがい、生きがいを感じられる生活をしています。
近況に引っ越しを控えていますので荷造りしながらの生活です。

 もうすぐ卒業シーズンですね。つらい別れもあれば新たな出会いが待っている、皆さんもご経験あるかと思います。
私はちょっとした余暇(?)を利用して現在にいたる理由を考えてみました。振返って考えてみると前職での出来事があったからだと思っています。

【出会い】

ある一人の利用者様を通じてALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病に出会いました。

この難病は手や足、のど、舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気です。
ただ筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害を受ける病気です。

この病気にかかると多くの場合、手指の使いにくさや肘から先の力が弱くなり、筋肉がやせることで始まります。

話しにくい、食べ物が飲み込みにくいという症状で始まる場合もあります。やがて全身の筋肉がやせていき呼吸も含めて力がはいらなくなっていきます。

【きづき】

「なんだか物が手からこぼれるんだよね。」その一言からはじまりました。
症状は日に日に増していき嚥下障害(口角がゆるむ)も出始めました。
一気に症状は進みおよそ半年後にALSと告げられることになりました。
ご本人様は「なんで私がこんな病気に」と精一杯の発語で心情を吐露されたとき、私自身言葉を失いました。
呼吸器を使わない(=延命措置を行わない)選択をされたことを伺ったときも内心ショックを受けました。

 当時の私にはそばにいて話を聞き寄り添うことが精一杯でした。

普段と変わりなく接するよう心がけたせいもありました。
今となって私にできることは、利用者様の思いを多くの皆様に伝えていくことが一番の恩返しと考えています。

私をこの道に導き置いてくださったのもきっと何か意味があり繋がっているんだと考えるようになりました。

【私の立ち位置】

1人でも多くの方々に重度訪問介護を利用していただきたいという思いで土屋ケアカレッジにて重度訪問介護養成者研修統合過程の教壇に立っています。

ここで出会う方々とのご縁を大切にすることで、福祉の世界を支えあうパートナーシップを構築していくことが私の目標です。自分の周りの人を幸せにしてあげたい気持ちは誰もが持ち続けている幸福論だと考えています。

【一輪の花】

私は以前利用者の皆様に誕生日にはバラの花の造花をプレゼントしていました。

「元気に過ごしてくださったらいずれ花束になりますよ」と少しずつ贈っていました。
私の心の中で恩人はいつまでもたくさんのバラの花を手にしています。

【最後に】

そして最後に私事になりますが、いま病室(!)にいます。
自分が今ここに置かれている理由を考えながらこのコラムを執筆しています。

思い当たることは、無きにしも非ずというところでしょうか。。。

初執筆により乱筆乱文となりましが最後までご拝読頂きありがとうございました。

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