インフォーマルサービスとは?支援の例を紹介!フォーマルサービスとの違いも解説!

介護は、1人で生活を営むのが難しくなった方の生活を支える仕事です。

介護には、介護保険が適用する「フォーマルサービス」と保険が適用されない支援「インフォーマルサービス」の2つの種類があります。

今回は、インフォーマルサービスとフォーマルサービスの違い、それぞれのメリットやデメリットを詳しく紹介していきます。また、あまり知られていないインフォーマルサービスについても詳しく説明していきます。

インフォーマルサービスとフォーマルサービスの違いとは?

前述した通り、介護保険が適用する支援は「フォーマルサービス」、保険が適用されない支援等は「インフォーマルサービス」にあたります。

フォーマルサービスは介護保険などの法律に基づいて支援を行うため、公的サービスです。そして、介護の費用は国が一部負担しています。

フォーマルサービスの例としては、有料老人ホーム、グループホーム、訪問介護など、一般的に知られている介護施設が挙げられます。

一方でインフォーマルサービスとは介護保険制度などを使わない支援のことです。介護保険を使用しないため、介護費用は全額自己負担です。

なお、家族や地域の方が行う支援もインフォーマルサービスに含まれます。

インフォーマルサービス、またはフォーマルサービスであるかどうかは「法律に基づいて支援を行っているか」という点が決め手ですが、2つのサービスが融合している場合もあります。

フォーマルサービスのメリットとデメリット

公的な支援であるフォーマルサービスのメリットは、安定した支援を受けられることです。

各分野での専門性が高い介護士、看護師、医師たちが対応してくれるため、質の高いサービスを一定の期間、安定して受けることができます。

また、事故等が起こった際の責任の所在が明確であることから、安心して支援を受けられます。

しかし、施設などでは、あらかじめルールなどが決まっているため、クライアントの求める支援や対応を行うのが難しい場合があるのがデメリットです。

クライアントとそのご家族の方は、クライアントの体調・状態・性格・好みなどに合った施設を見つける必要があります。

インフォーマルサービスのメリットとデメリット

一方でインフォーマルサービスでは、支援内容に縛りがないため、幅広い支援を受けられます。また、家庭介護では、信頼できる家族のメンバーが支援を行うため、支援を受ける方も安心するでしょう。

しかし、専門性のあるサービスを受けられなかったり、長い期間安定して支援を受けられない場合があったりするのがデメリットです。

インフォーマルサービスの例

インフォーマルサービスの例としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 認知症カフェやサロン
  2. 食事の宅配サービス
  3. 食事会や地域住民との交流会
  4. 宅老所

それぞれのサービスを詳しく紹介していきます。

認知症カフェ

認知症カフェとは、認知症を患っている本人とそのご家族の方や、地域住民の方が誰でも参加できる集まりの場です。別名オレンジカフェとも呼ばれています。

認知症カフェでは、認知症に関するさまざまな悩みや困り事を専門家の方に相談したり、地域の方と情報交換ができたりします。

認知症カフェの開催日は地域によって異なりますが、月に1回〜2回ほどです。

主な運営主体は介護事業所やNPO法人などで、認知症の予防、認知症の悪化予防、ご家族の介護負担の軽減などを目的としています。

参加費用は平均100円〜200円です。

食事の宅配サービス

食事の宅配サービスは、栄養バランスや食べやすさなどを配慮した高齢者向けの食事を自宅まで届けるサービスです。

在宅介護をしている方は、栄養バランス、アレルギー、嚥下機能を配慮しながら毎日食事を作る必要があります。食品の買い出し、料理、後片付けまで、思った以上に苦労と時間がかかります。

食事配達サービスを利用することで、食事を準備する手間、片付けをする手間が省け、介護の負担を減少させることが可能です。

特にむせの強い方、介護や介助も負担が大きい方、食事制限がある方におすすめです。

食事会や地域住民との交流会

上記で紹介した「認知症カフェ」に似ている食事会や交流会が月に1、2回程度開催されています。認知症だけにかかわらず、介護全般の情報交換ができる交流会です。

また、高齢者支援の場としてほぼ毎日営業しているカフェもあります。

宅老所

宅老所は、高齢者が利用する寄合所です。宅老所の中には、フォーマルサービスのように日帰り入浴・食事・レクリエーションなどに参加できるデイサービスや、寝泊まりができる宿泊サービスを提供しているところもありますが、基本的には介護保険適用外です。

介護保険適用外であるため、サービス内容は基本的に決められてなく、なんでもしても良いところが多くあります。

また、宅老所で働くスタッフの多くは高齢者です。

退職して時間がある方や、多くの交流を求めている方、他の高齢者の役に立ちたいと思っている方が無償で働いていることがほとんどです。

高齢者はインフォーマルサービスとフォーマルサービスをバランスよく使用することが大切

今回は、インフォーマルサービスとフォーマルサービスの違い、それぞれのメリット・デメリット、インフォーマルサービスの例を紹介しました。

インフォーマルサービス・フォーマルサービスの違いは、介護保険が適用されるか、されないかです。

それぞれにメリット・デメリットが存在しますが、高齢者にとってどちらが良いなどの正解はありません。それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で両者をバランス良く使用することが大切です。

また、インフォーマルサービスである交流会や認知症カフェなどは、支援を受けている方や認知症を患っている方本人だけではなく、そのご家族の方も参加できます。

交流会や認知症カフェに参加することで、介護や認知症に関する知識を深めることができます。ご家族の方に介護を必要としている人や認知症を患っている人がいる方は、ぜひ参加すると良いでしょう。

また、フォーマルサービスを提供している介護施設や介護事業所で働いている介護士たちは、ご家族の方に交流会や認知症カフェへの参加を進めてみてはいかがでしょうか?

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