実務者研修は無料で受講できる?!無料で受講する方法と事前に知っておくべき注意点

介護従事者として働く上で、多くの方が目標とするのが「実務者研修」の受講です。

実務者研修は、介護福祉士国家試験受験の必須項目であり、給料アップやキャリアアップにも繋がります。

しかし、実務者研修はスクーリングが必要となるためお金がかかります。

安く受講できれば金銭的負担も少なくなりますし、無料で受講できるのかも気になるところです。

今回は、「実務者研修は無料で受けられるのか」という疑問にお答えしながら、無料で受講する方法とその注意点についてもご紹介します。

実務者研修は無料で受講ができる

結論から言うと、実務者研修は無料で受講ができます。

本来、実務者研修を受けるにはお金がかかるため、無料で受けられるのはとてもお得です。

無料で受講できる場所は3つあります。

  1. スクール
  2. 介護事業所
  3. ハローワーク

なぜ無料で実務者研修を受講できるのか、スクールと介護事業所の支援制度、ハローワークについても紹介していきます。

無料で受講する場合のデメリットも説明しますので、メリットだけでなくデメリットも考慮した上で、自分に合った方法を選びましょう。

1.実務者研修費用をスクールが負担してくれる場合

介護資格取得のためのスクールで、実務者研修を無料で受講できることがあります。

実務者研修が無料で受講できるのは、スクールの母体が介護関連事業であったり、転職エージェントであったりすることがある場合です。

介護事業は人材不足のため、人材確保の一環として実務者研修無料のサービスを行っています。

無料で受講する条件として、「実務者研修修了後にスクール母体が運営する介護事業所に就職する」といった要件があります。

転職エージェントも同様に、人材確保のために実務者研修無料のサービスを行っています。

就職の際は、転職エージェントにて就職活動をすることが要件となります。

2.実務者研修費用を介護事業所が負担してくれる場合

介護事業所にて、働きながら実務者研修を無料で受けられる支援もあります。

実務者研修にかかる費用を介護事業所がすべて負担するケースです。

その理由は、①人手不足による人材確保②実務者研修にて質の高い介護サービスを提供できる人材がほしいからです。

しかし、常に求人募集している介護事業所だと、労働が激務であったり職離れが深刻なケースもあります。

「実務者研修を無料で受講できる」という要件だけで、就職先を決定しないように注意しましょう。

また、実務者研修の研修期間および研修修了後も、支援を受けた介護事業所にて引き続き働くといった要件もあります。

現在すでに介護事業所にて働いている方は、事業所の上司に支援制度がないか確認してみましょう。

3.実務者研修をハローワークを介して受ける場合

実務者研修はハローワークで無料受講できます。

ハローワークには求職者支援制度といって、働きたい意思がある方への資格や技術取得の支援をしています。

場合によっては、月10万円の生活支援金を受給しながら受講することができます。

「どういった方が生活給付金を受給しながら実務者研修を無料で受講できるのか」

「給付金は受け取れないが無料で実務者研修を受講できるのはどういった方なのか」を説明します。

<生活支援金を受給しながら実務者研修を無料で受けられる方>

  • 雇用保険の適応がなかった離職者の方
  • フリーランス・自営業を廃業した方
  • 雇用保険の受給が終了した方
  • 一定額以下の収入のパートタイムで働きながら、正社員への転職や社内での正社員転換を目指す方

<生活支援金を受け取れなくても無料で受講できる方>

  • 親や配偶者と同居していて一定の世帯収入がある方
  • 働いていて一定の収入がある方

参考)▶ 厚生労働省 求職者支援制度のご案内

実務者研修をハローワークで受けるデメリット

ハローワークでは、一定の条件を満たせば生活支援金を受給しながら無料で実務者研修を受けることができます。

しかし、以下のようなデメリットもあります。

  1. 通学が必要、場所が限られている
  2. 研修期間が決まっている
  3. 受講時間が限られている
  4. テキスト代・通学費用は自己負担

それぞれのデメリットについて説明します。

1.通学が必要、場所が限られている

ハローワークでは、通信での受講は取り扱っておらず、必ず通学が必要となります。

また、実務者研修の開催地は限られており、住んでいる地域によっては通学に時間がかかることも考えられます。

場所や通学にかかる時間も考慮し、通えるかどうか判断が必要です。

2.研修期間が決まっている

研修期間が〇月〜〇月と決まっているので、タイミングによってはすぐに実務者研修を受講できない場合もあります。

また、多くの方が申し込まれるので研修を受けるまでに選考もあります。

今すぐ実務者研修を受講したいという方には向いていません。

3.受講時間が限られている

受講時間は主に平日の昼間です。すでにパートタイムで仕事をされている方は、時間の都合がつきづらい可能性もあります。自分の地域のハローワークにて、受講時間の確認が必要です。

4.テキスト代・通学費用は自己負担

実務者研修は無料で受講できますが、テキスト代と通学費用は自己負担となります。

テキスト代は1万円〜と安くはありません。研修場所が遠い場合、通学費用もかかります。

実務者研修にかかる費用すべてが無料ではないので注意しましょう。

地方自治体が実務者研修の支援をしている場合もある

地方自治体によっては実務者研修の支援がある地域もあります。

地域に住んでいる方々の働き口をサポートする、地域の活性化をする、といった目的で支援を行っています。

地方自治体とその地域に根付いた介護事業が協力し、就職支援をしていることもあります。

支援の有無や支援を受ける条件などは地域によって異なるので、自分の住んでいる地域で確認しましょう。

実務者研修を無料で受講する際の注意点

実務者研修を無料で受講する際の注意点として、要件をよく確認することが必要です。

スクールや介護事業所のサポートを受け、実務者研修を無料で受講すると、就職先が絞られることがあります。

就職を見据えて、実務者研修を受ける前に母体の介護事業はどのような会社なのか調べることが必要です。

理念や働く場所、働き方があなたとマッチしているかをよく確認しましょう。

また、ハローワークはスクールや介護事業所と比較すると自由がききません。

自分の状況に合っているかどうか見極めることが大切です。

実務者研修の無料受講が合っているのか考えよう

今回は実務者研修を無料で受講する方法とその注意点について紹介しました。

実務者研修を受けるには本来7〜15万円ほどの費用がかかると言われています。

決して安い金額ではありませんので、無料で受講できるのは受講者の負担が軽くなる嬉しい制度です。

ただし、制度を利用する前に、要件をよく確認することが必要です。

それぞれの方法のメリット・デメリットをふまえた上で、自分に合った方法を選択しましょう。

実務者研修の受講前に、研修修了後の見通しやキャリアプランを立てることで、モチベーションの向上にも繋がり、自分のとるべき行動が見えてくるでしょう。

特にスクールや介護事業所でのサポートは、費用面だけでなく、その後のキャリアアップを支援してくれたり、勤務調整まで行ってくれるなど、痒い所に手が届くほどのサポートをしてくれる企業もあります。

そういったスクールや介護事業所では実務者研修の勉強も捗り、最短ルートでキャリアアップを目指すことができるでしょう。

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