「実務者研修は、いつから始めれば介護福祉士の試験に間に合うのだろう」。受講を考え始めた方が、まず気にするのがこの点です。
この記事では、介護福祉士国家試験から逆算した受講開始時期の決め方と、修了までの月別スケジュール例をまとめました。仕事と両立しながら、余裕をもって修了するための計画の立て方を紹介します。
この記事の要点
- 無資格なら6か月、初任者研修があれば最短2か月が修了の目安
- 国試の申込は修了見込みで可、修了期限は受験年度の3月末
- 試験前年の春に始めて秋に修了すると、試験対策に集中できる
実務者研修の修了までにかかる期間
修了までの期間は保有資格で変わり、無資格の方で6か月程度、初任者研修をお持ちなら最短2か月程度が目安です。
実務者研修は450時間の研修で、無資格の方は全科目を受講します。多くのスクールが受講期間を6か月に設定しています。初任者研修などをお持ちの方は、保有資格に応じて科目が免除されるため、期間が短くなります。
免除の内容と、資格別の期間や受講料は、実務者研修コースのページで確認できます。最短で修了する方法を詳しく知りたい方は、実務者研修を最短で修了する方法の解説もあわせてお読みください。
受講開始時期を決めるなら、介護福祉士国家試験から逆算する
介護福祉士国家試験は毎年1月に行われ、申込は修了見込みでできるので、試験から逆算して受講開始の時期を決めるのが基本です。
制度上の期限:受験する年度の3月末までに修了
実務経験ルートで受験する場合、実務者研修の修了は受験する年度の3月31日までで認められています。受験申込の時点では修了していなくても、修了見込みの証明があれば申し込めます。
申込受付は例年8月上旬から9月上旬の約1か月間です。詳しい要件と日程は社会福祉振興・試験センターの受験資格ページで確認できます。
実務上のおすすめ:試験前年の秋までに修了しておく
制度上は試験直前まで受講していても受験できますが、それでは試験対策の時間が取れません。仕事・研修・試験勉強を同時に抱えることになり、負担が大きくなります。
おすすめは、試験前年の秋までに実務者研修を修了しておくことです。そうすれば、秋から1月までの数か月を試験対策に集中して使えます。
修了までのスケジュール例:春に始めて秋に修了する
無資格の方が1月の試験をめざすなら、試験前年の4月に受講を開始し、10月頃に修了するスケジュールが目安です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 4月 | 実務者研修の受講を開始。自宅学習を進める |
| 5〜7月 | 自宅学習を継続。通学日程を確認し、職場に休暇の相談 |
| 8〜9月 | 修了見込み証明を受け取り、介護福祉士国家試験に申込 |
| 10月頃 | 通学講習・修了試験を終え、実務者研修を修了 |
| 10〜1月 | 試験対策に集中 |
| 1月 | 介護福祉士国家試験を受験 |
初任者研修をお持ちの方は、期間が短い分、開始時期を夏頃まで遅らせても間に合う計算になります。ただし、余裕をもって進めるに越したことはありません。
初任者研修をお持ちの方のスケジュール例
初任者研修を修了している方は、130時間分が免除されるため、最短2か月程度で修了できます。たとえば7月に受講を開始して9月に修了し、修了証明書を添えて受験申込をする、という進め方も可能です。
ただし、通学日が自分の休みと合わない場合や、振替が続く場合は期間が延びます。最短の期間はあくまで目安と考え、1か月程度の余裕を見ておくと安心です。
「修了見込み証明」とは
受験申込の時点で実務者研修を修了していない場合、受講中のスクールが発行する修了見込みの証明書を添えて申し込みます。証明書の発行時期や手続きはスクールによって異なるため、申込受付が始まる前に、受講中のスクールに確認しておきましょう。
開始が遅れた場合の考え方
春に始められなかった場合でも、あきらめる必要はありません。無資格の方でも、試験前年の夏までに開始すれば、年内の修了は十分に可能です。
秋以降の開始になる場合は、翌年度の試験を視野に入れて、無理のない計画に切り替えるのも一つの選択です。開始時期に迷ったら、資料請求や相談で最新の開講日程を確認してから決めましょう。
申込前に確認したい3つのこと
申込前に、通学日程・職場への相談・自宅学習の時間の3つを確認しておくと、途中で計画が崩れにくくなります。
1. 通学日程を確認する
開講日と通学日は、教室やコースによって異なります。受講したい教室の日程を確認し、自分の休みや勤務と重ならないかを見ておきましょう。土屋ケアカレッジでは、通学は7日で、残りは自宅学習で進めます。
2. 職場に伝えておく
働きながら受講する方は、受講することと通学日があることを、早めに職場に伝えておきましょう。通学日に合わせて休暇を取りやすくなり、急なシフト変更も避けやすくなります。
3. 自宅学習の時間を確保する
学習の大半は自宅学習です。毎週どのくらい時間を取れるかを、申込前に考えておきましょう。1日あたりの学習時間の目安は、実務者研修の学習時間の解説で紹介しています。
申込に必要な条件や手続きの流れは、実務者研修を受けるには?条件・費用・流れの解説にまとめています。
途中で通えなくなっても、振替受講で計画を立て直せる
土屋ケアカレッジは振替受講が無料なので、体調不良や急な勤務で通学できなくても、追加費用なく計画を立て直せます。
数か月にわたる受講では、予定どおりに進まない日も出てきます。やむを得ず通学できなくなった場合は、別コースでの振替受講が無料です。振替には条件があり、振替先の空席状況や日程によりご希望に沿えない場合があります。
受講料は無資格の方で税込75,000円、初任者研修をお持ちなら64,000円です。テキスト代込みで、追加費用はありません。教育訓練給付金の対象講座もあります。一般教育訓練給付金は、雇用保険の被保険者期間など一定の条件を満たす方が対象です。対象講座を修了すると、受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。制度の概要は政府広報オンラインの案内で確認できます。
医療的ケアは実務者研修だけでは行えない
実務者研修で喀痰吸引・経管栄養の基礎を学びますが、修了しただけでは利用者の方に医療的ケアを行うことはできません。
喀痰吸引と経管栄養は、2012年の社会福祉士及び介護福祉士法の改正で対象になった医療的ケアです。一定の条件のもと、介護職員も行えるようになりました。現場で実際に行うには、修了後に次のステップが必要です。
- 実務者研修の医療的ケア(基本研修にあたる部分)を修了する
喀痰吸引等研修の基本研修に相当する部分を学びます。 - 実地研修を受ける
登録研修機関で、指導看護師などの指導のもと実地研修を受けます。 - 都道府県に「認定特定行為業務従事者」として登録する
登録が認められると、認定証が交付されます。 - 勤務先が「登録特定行為事業者」であること
自分自身の認定に加えて、勤務先の事業者登録がそろって初めて実施できます。
制度の詳細は厚生労働省「喀痰吸引等制度について」で確認できます。
実務者研修のスケジュールについてよくある質問
Q. 今すぐ始めれば、次の1月の試験に間に合いますか?
A. 開始時期と保有資格によります。無資格の方は修了まで6か月程度かかるため、試験前年の夏までに始めれば年内の修了が目安になります。それより遅い場合は、翌年度の試験を視野に入れた計画も検討しましょう。最新の開講日程は資料請求でご確認ください。
Q. 受験申込の時点で修了していなくても申し込めますか?
A. 申し込めます。修了見込みの証明があれば受験申込ができ、修了は受験する年度の3月31日までで認められています。ただし、試験対策の時間を確保するために、試験前年の秋までに修了しておくことをおすすめします。
Q. 受講中に仕事が忙しくなったら、途中で止められますか?
A. 自宅学習は自分のペースで進められるので、忙しい時期は学習量を減らして調整できます。通学日に出られなくなった場合は、条件を満たせば無料で別コースに振替受講できます。受講期間の延長など個別の事情は、事務局にご相談ください。
まとめ|逆算して始めれば、働きながらでも間に合う
実務者研修は、介護福祉士国家試験から逆算して春に始め、秋に修了するのが目安です。制度上の期限に余裕があっても、早めの修了が試験対策の余裕につながります。
無資格の方は6か月程度、初任者研修をお持ちなら最短2か月程度で修了できます。申込前に、通学日程・職場への相談・自宅学習の時間を確認しておきましょう。
途中で予定が崩れても、振替受講で立て直せます。まずは最新の開講日程を確認して、自分の開始時期を決めるところから始めてみてください。

