実務者研修が「安い」スクールはある?費用の仕組みや出費を抑える方法を解説!

実務者研修の料金は一律ではなく、中には安いスクールも存在します。

安いスクールの場合、どの程度の金額で実務者研修を受講できるのでしょう。また、安い理由は何故なのでしょうか。

当記事では、そうした実務者研修が安いスクールについて、費用の仕組みを交えて解説します。

また、補助金などを利用して出費を抑える方法についてもご紹介しますので、費用面で悩んでいる方はぜひご覧下さい。

実務者研修にかかる費用の目安は?

実務者研修に掛かる費用のおおよその目安は、「無資格者」の場合で約10万〜20万円です。

実務者研修で学ぶカリキュラムや教育内容については、厚生労働省により基準が定められていますので、どこのスクール(養成施設)に通った場合でも、学ぶ内容に大きな差はありません。

一方、料金や費用については明確な定めがなく、スクール毎に自由に決める形となっています。そのため10万円程度で受講できる安いスクールもあれば、高いところでは20万円近くの費用が発生するスクールもあります。

最安値は?

無資格の場合、安いスクールでは最安値8万~9万円程度で実務者研修を受講することができます。

関連資格を保有していればさらに安くなり、たとえば「介護職員基礎研修」の資格を保有している人であれば、最安値4万円程度で実務者研修を受講できるスクールもあります。

加えて補助金などを活用すれば費用の一部が補填されるため、さらに出費を抑えることが可能です。

関連資格があれば費用が安くなる

実務者研修は「介護職員初任者研修」「ホームヘルパー1級~3級」「介護職員基礎研修」等の関連資格を保有していると、一部の科目が免除されます。免除により研修時間も短縮されるため、掛かる費用もその分安くなります。

ここでは、保有資格と研修時間や費用との関係を解説します。

資格と研修時間について

厚生労働省により、実務者研修における研修時間は以下のように定められています。

保有資格研修時間
無資格者450時間
ホームヘルパー3級420時間
介護職員初任者研修320時間
ホームヘルパー2級320時間
ホームヘルパー1級95時間
介護職員基礎研修50時間
出典:厚生労働省「実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について

※加えて、これとは別に「医療的ケア」の演習が必要

無資格者の場合は、450時間の研修が必要になります。対して「介護職員初任者研修」を保有している人であれば「介護過程 I」「認知症の理解 I」等の一部基礎科目が合計130時間分免除されるため、320時間まで短縮できます。

最も免除の多い「介護職員基礎研修」を保有している人であれば、合計400時間分が免除されるため、わずか50時間の研修時間で実務者研修を修了できます。

資格と費用について

以下は、保有資格別に、各スクールでの費用目安をまとめたものです。

保有資格スクールAの費用スクールBの費用スクールCの費用
無資格者175,000円130,000円105,000円
介護職員初任者研修、もしくは介護職員初任者研修110,000円100,000円87,000円
ホームヘルパー1級75000円70,000円65,000円
介護職員基礎研修58,000円45,000円40,000円

※価格は(税込)で記載

このように、関連資格を保有していると研修時間が短くなるため、同じスクールであっても費用水準が安くなります。

たとえばやや費用が高めであるAのスクールでは、無資格者の場合は175,000円(税込)の出費が発生しますが、介護職員初任者研修を保有している人であれば110,000円(税込)まで出費を抑えられます。

もともと費用の安いCのスクールでは、無資格者の場合は105,000円(税込)、介護職員初任者研修を保有している人であれば40,000円(税込)まで出費を抑えられます。

実務者研修が安いスクールの特徴や理由は?

どのようなスクールが実務者研修の費用を安くしているのでしょう。ここでは費用の安いスクールの特徴や理由について、以下4つの観点から解説します。

  • 立地
  • 通信に力を入れている
  • サービスの柔軟性
  • スクールの母体

立地

地価の高いエリアや高層ビルなどに入っているスクールは、土地代やテナント料が高額になるため、その分受講費用も高くなりがちです。

反対に、駅からやや遠いスクールや、あまり高くないテナントに入っているスクールなどは、その分料金を安く設定していることが多いです。

また、同じ系列のスクールでも地域によって料金を分けていることがあります。東京近郊などはやはり料金が高くなりがちですが、四国や九州など地方であれば、2割~3割減となるスクールもあります。

通信に力を入れている

実務者研修では、一部の科目を「通信教育」で学ぶことが許されています。通信教育に力を入れているスクールであれば、教室の数や講師の数を抑えることができるため、浮いた分の経費を受講者に還元し、料金を安くしていることがあります。

サービスの柔軟性

止む負えない事情などで予定されている講義を休む場合には「振替授業」という形で別の日に授業を受けることになります。

この振替授業を利用しやすいスクール、もしくは無料としているスクールなどは、その分、受講費用を高く設定していることがあります。また、夜間や深夜などにも講義を開催しているスクールは、その分費用を高くしていることがあります。

反対にいえば、こうしたサービスの柔軟性を制限しているスクールであれば、その分費用が安く済むことがあります。

スクールの母体

さまざまな資格を扱う、いわゆる「資格の学校」でも実務者研修を開催しています。

それとは別に介護施設や介護系の企業がグループ内でスクールを運営し、実務者研修等の講座を開催していることがあります。

後者の場合、実務者研修の修了後、自社グループの介護施設などで働いてもらうことを条件に、受講費用を安くするケースがあります。

私たち「土屋ケアカレッジ」の実務者研修でも、株式会社土屋での就業を希望される方を対象に『土屋ウェルカム0円キャンペーン』という制度を用意しており、受講に掛かった費用を全額キャッシュバックさせて頂いております。

実務者研修の費用をさらに抑える方法

実務者研修の費用は、以下のような手段を取り入れることで、さらに安くできることがあります。

  • 国や自治体の補助制度
  • ハローワークトレーニング
  • 勤務先の資格取得支援制度

以降では、それぞれの詳細を解説します。

国や自治体の補助制度

国や自治体が用意する以下のような補助制度を利用すれば、受講に掛かった費用の一部(最大で70%程度)を補助金・給付金として受け取れます。

注意点として、こうした補助制度は実務者研修の「修了者」が対象となっていることが多いため、途中で断念した場合は支給対象外となってしまいます。その他にも支給には細かな条件が設けられていますので、詳細は各補助制度の専用ページをご確認ください。

ハローワークトレーニングを利用する

地域のハローワーク(公共職業安定所)が開催する「ハローワークトレーニング(職業訓練)」でも実務者研修の講座が開催されています。

ハローワークトレーニングであれば受講費用は無料であり(テキスト代などは実費)、さらに条件を満たす方は、職業訓練受講手当として月10万円が支給されます。

ただしハローワークトレーニングは希望者全員が受講できるわけではありません。基本的には離職者や求職者が対象であり、また面接や筆記試験による選考も行われます。

詳しくは、厚生労働省の「ハローワークトレーニング特設ページ」やお近くのハローワークの窓口にてご相談ください。

勤務先の資格取得支援制度

介護施設や介護関連の企業に勤務している方の場合、勤務先の会社側が、実務者研修に掛かった費用の一部もしくは全部を負担してくれることもあります。

ただし「勤務期間が〇〇〇日以上ある人」などの条件が設けられていることもあります。まずは上司や担当部署などに詳細を確認してみましょう。

安くても良いスクールはある

今回解説したように、実務者研修の料金は一律ではなく、安く受講できるスクールも存在します。

また単純に、料金が高いから良いスクール、安いと悪いスクールというわけではなく、料金が安くとも満足度の高い研修が受けられるスクールもたくさんあります。

教師との相性やスクールの雰囲気などによっても満足度は変わってきますので、スクールの特徴を多角的にチェックし、安くて自分に合ったよいスクールを見つけてみて下さい。

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