介護福祉士は、厚生労働省が管轄する国家資格の一つです。
日本の介護職の中でも唯一の国家資格で、取得していると介護に関する豊富な知識と高い技術力が証明される資格と言えます。
介護福祉士の国家資格取得までは、専門の学校の修了や3年以上の実務経験に加えて、250時間とも言われる筆記試験の準備が必要です。
国家資格取得までの道のりが険しい介護福祉士の資格ですが、実際に取得した後の給料はどのように変化するのでしょうか。
本日は気になる介護福祉士の給料に関してご紹介いたします。
介護職のキャリアプランとは
介護に携わる国家資格である介護福祉士ですが、この資格は介護職の中でも上位の資格となります。
実際に介護の現場で働きながら介護福祉士を目指す場合は、まずファーストステップである介護職員初任者研修と、その次に介護福祉士実務者研修を受講し、介護職員としてデビューするケースが一般的です。
また介護福祉士の国家資格を取得した後は、更なるステップアップとしてケアマネージャーを目指すことや、介護関連の講師職への転職も視野に入ってきます。
介護福祉士になる前となった後では、どのくらい給料に差が出る?
厚生労働省が発表している「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、介護職員全体の平均的な月額給与額は315,850円程度となっています。
介護職員の中でも保有資格別の月額平均給与は、以下の通りです。
資格を保有していない介護職員……275,920円
介護職員初任者研修……301,210円
介護福祉士実務者研修……303,230円
介護福祉士……329,250円
参照▶︎令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(厚生労働省)
介護に関係する研修を受けていない一般の介護職員と介護福祉士の月収を比較すると、月5万円程度給料がUPします。
年収に換算すると60万円ほどの給料の差額が出てきますので、介護の現場で長く働きたいと考えているのであれば、介護福祉士は是非とも取得しておきたい資格といえます。
さらに責任あるポジションへの昇進が見込まれる!
介護福祉士の資格を取得すると、資格手当などによる給料のUPはもちろんのこと、役職のつくポジションへ昇進する可能性も高まります。
介護福祉士の国家資格を保有しているということは介護に対する一定レベル以上の知識と技能が国から認定されているということになりますので、後輩の指導や新人の教育に登用されることもあります。
勤務する施設によっては役職手当などの支給も見込まれますので、さらにやりがいが出てくることでしょう。
副業による手取りUPの可能性も
勤務する施設の就業施設で副業が認められている場合は、介護福祉士の資格を活かした副業を行うこともできます。
特に人気の副業は、勤務先とは別の介護施設での夜勤業務や、介護資格関連の講師、介護関連のWebライターやブログ運営などです。
給料が大幅に上がる以外にも、介護福祉士の資格を活かして仕事の幅をひろげることができるのが、介護福祉士の魅力ともいえます。
介護福祉士の資格取得後に目指したい、ケアマネージャーの給料は?
介護職の中でも最上位の資格と位置づけられているのが、介護支援専門員(ケアマネジャー)です。
ケアマネージャーは、クライアントが適切な介護保険サービスを受けることができるようサポートする役割を担っています。
介護サービスの計画書(ケアプラン)を作成したり、施設との利用調整を行うお仕事で、指定業務に通算5年以上かつ900日以上従事することで受験資格が与えられます。
このケアマネージャーの資格を保有すると、月額平均給与は357,850円まで上がります。
介護福祉士よりも月額の給料が3万円ほど上がる可能性があり、保有資格なしの介護職員と比較すると年間給与額に100万円弱の差が生じる計算になります。
給料面はもちろんのこと、ケアマネージャーは介護職と兼任しない限り夜勤等のシフト勤務がほとんど発生しないという点も人気が高い理由となっています。
そのため将来的な身体の負担を減らしたいと考えている方や、ライフスタイルの変化から家庭優先の勤務シフトにシフトチェンジしていきたいと考えている方からも、人気の資格です。
ケアマネージャーとしての給料UPを目指していく上でも、介護福祉士の資格取得は必須といえます。
参照▶︎令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(厚生労働省)
今後の介護福祉士の給料はどうなる?
長年にわたって「介護職は給料が安い」という風評がありましたが、介護従事者の給料は年々上昇傾向にあります。
厚生労働省の「介護従事者処遇状況等調査」によると、2016年から2020年にかけての調査で、常勤職員の月額平均給与額が26,000円、非常勤職員の月額平均給与額が16,000円程度上がっていることが分かります。
2012年には介護職員等特定処遇改善加算という、介護職員の賃金改善を目的とした加算制度もスタートしており、年々介護職員の処遇は改善されつつあります。
今後の超高齢化社会においても、ますます介護サービスのニーズは高まる一方ですので、介護福祉士に関してもさらなる給料のUPが見込まれるといえます。
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