「介護福祉士実務者研修」を取得できた場合、「履歴書」の免許・資格欄に保有資格として記入して問題ないのでしょうか。また、記入することでどのようなメリットが生じるのでしょう。
今回は、履歴書に実務者研修を記入する際の書き方について、注意点も交えながら解説します。正しい書き方を理解し、実務者研修の資格を上手くアピールしていきましょう。
実務者研修は履歴書に記入しても問題ない?
前提として「介護福祉士実務者研修」を履歴書の免許・資格欄に記入することはなんら問題ありません。
実務者研修は厚生労働省が認定する公的な資格であり、介護業界内での評価も高い資格です。実務者研修は上位の国家資格となる「介護福祉士」の陰に隠れやすいですが、実務者研修単体でも十分にアピールポイントとなります。取得した場合は、積極的に履歴書に記入しておきましょう。
受講中でも記入できる
いま現在、実務者研修を受講している段階であり、まだ修了はしていない状態であっても、履歴書に記入できます。その場合は、取得中であることを伝えるため、「修了見込み」や「取得に向けて勉強中」のような表記とするのが望ましいです。
特に未経験者であれば、受講しているだけでも好感を持たれやすいため、積極的に記入することをおすすめします。
実務者研修を履歴書を書く際のポイント
ここでは介護福祉士実務者研修を履歴書に記入する上での書き方のポイントや注意点について、以下5つの観点から解説します。
- 履歴書の基本
- 正式名称で記入
- 「修了」として記入
- 他の資格を記入しても良い?
- 「志望の動機欄」を利用する
履歴書の基本
まず「履歴書」とは、就職や転職をする上で、自身のことを採用する側に知ってもらうための応募書類です。自身の学歴、職歴、免許・資格、志望の動機などを的確に記入する必要があります。
応募書類には、履歴書の他に「職務経歴書」や「エントリーシート」が用いられることもありますが、採用担当者がまず見て重きを置くのは履歴書であることが多いです。
履歴書の書き方の基本やフォーマットについては、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」に方針がまとめられていますので、併せてご確認ください。
正式名称で記入
「実務者研修」というのは簡略化した表現であり、正式名称は「介護福祉士実務者研修」です。履歴書の免許・資格欄に記入する場合は、正式名称の「介護福祉士実務者研修」として記入するのが望ましいです。
「修了」として記入
実務者研修を履歴書に記入する場合、免許・資格欄に「介護福祉士実務者研修過程 修了」と記入します。
【履歴書 記入例】
年 | 月 | 免許・資格 |
平成25 | 4 | 普通自動車第一種免許 取得 |
令和2 | 5 | 介護職員初任者研修過程 修了 |
令和3 | 8 | 介護福祉士実務者研修過程 修了 |
令和5 | 10 | 介護福祉士 取得 |
実務者研修や初任者研修などは、厳密には資格ではなく研修となりますので、「修了」として記入します。現在受講中の場合は「修了見込み」や「取得に向けて勉強中」等の表記で記入しましょう。
一方、普通自動車免許のような免許証が交付される資格、もしくは介護福祉士のような独占資格は、「取得」として記入します。
取得した年については、西暦ではなく和暦(元号)で記入しましょう。
記入する順序は、時系列に沿って、先に取得した古い資格を上から記入していく方法が一般的ではありますが、応募先企業に対するアピール力の高い順から記載する方法もあります。
なおハローワークからは、以下の通り、アピール力の高い順から記載する方法が推奨されています。
引用:ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」より
記載の順番は、古い順に記載する方法もありますが、応募先企業に対するアピール力の高い順から記載することをお勧めします。
他の資格を記入しても良い?
履歴書の免許・資格欄には、基本的にどのような資格を記入しても問題ありません。ただし記入枠が限られていますので、多数の資格を保有している人の場合は、できるだけ応募先の職務に関係する資格を優先して記入するのが望ましいです。
介護職へ就職する場合であれば、以下のような介護関連の資格を優先して記入するのが望ましいでしょう。
- 介護福祉士
- 介護職員初任者研修
- 認知症介護基礎研修
- レクレーション介護士
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
- ガイドヘルパー
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士 など
「志望の動機欄」を利用する
履歴書の「志望の動機」欄には、その仕事を志望する動機、特技、好きな学科、アピールポイント」などを記入します。志望の動機欄は、自分をアピールする箇所であり、記述式であるため自由度が高く、腕の見せ所でもあります。
動機や意欲を知ってもらう上で、志望の動機欄に実務者研修に関するエピソードを絡めることは何ら問題なく、たとえば「実務者研修を通じて介護に対しての関心がより高まった」のような切り口で介護職に対する意欲を伝えるのも一つの方法です。
実務者研修を履歴書に書くことのメリット
実務者研修を取得していることを履歴書に記入すると、採用選考を有利に進められることがあります。
具体的には、履歴書に書くことで以下のようなメリットが生じます。
- 意欲をアピールできる
- 知識やスキルの証明となる
- 資格制限のある求人に応募できる
以降では、それぞれの詳細を解説します。
意欲をアピールできる
実務者研修の研修期間は「450時間以上・6ヶ月間」となり、費用も約10〜20万円発生します(無資格者の場合)。時間もお金も掛かり、手軽に取得できる資格ではないが故に、介護に対して一定の意欲や目的意識があることのアピールとなります。
特に未経験の場合、志望動機に説得力を持たせる上でも実務者研修は効果的であり、未経験ながら真剣に介護職を目指している人材として、高評価が期待できます。
知識やスキルの証明となる
実務者研修を取得しているということは、介護に関する基礎的な知識、基礎的な実技スキルを取得していることの証明となります。研修を通じて喀痰吸引・経管栄養といった医療的ケアについても学ぶため、そうした特殊なスキルを有していることの証明にもなります。
したがって、履歴書に実務者研修の記載があれば、採用する側も安心感や信頼感を抱きやすく、選考も有利に進めやすくなります。
資格制限のある求人に応募できる
介護求人の中には「実務者研修保持者のみ」のように資格で制限されている求人もあります。特に「特別養護老人ホーム」のような施設では、実務者研修もしくは初任者研修が必須条件となっていることが多いです。
実務者研修を取得していればそのような資格制限のある求人にも応募でき、就職先の選択肢が広がります。
実務者研修は積極的にアピールすべき資格!
以上のように、介護福祉士実務者研修は履歴書に書いて問題ない資格であり、むしろ積極的に記入したい資格ともいえます。
介護業界である以上、採用する側も実務者研修の価値や内容を理解してますので、履歴書に実務者研修の記載があれば、ライバルに差を付けられ、選考を有利に進めやすくなります。
面接での会話のネタになることもありますので、特に未経験の人、他にアピールする介護関連の資格がない人の場合は、実務者研修を取得していることを積極的にアピールしていきましょう。