「介護福祉士実務者研修」を修了できた場合、「履歴書」の免許・資格欄に保有資格として記入して問題ないのでしょうか。また、記入することでどのようなメリットが生じるのでしょう。
今回は、履歴書に実務者研修を記入する際の書き方について、注意点も交えながら解説します。正しい書き方を理解し、実務者研修を上手くアピールしていきましょう。
- 実務者研修は履歴書に書ける公的な研修修了歴です。免許・資格欄に正式名称で記入できます
- 研修は「取得」ではなく「修了」と書きます。受講中でも「修了見込み」で記入できます
- 有効期限がなく生涯有効なので、ブランクや再就職のときも自信を持って記載できます
実務者研修は履歴書に記入しても問題ない?
前提として「介護福祉士実務者研修」を履歴書の免許・資格欄に記入することはなんら問題ありません。
実務者研修は厚生労働省が認定する公的な資格であり、介護業界内での評価も高い研修です。実務者研修は上位の国家資格となる「介護福祉士」の陰に隠れやすいですが、実務者研修単体でも十分にアピールポイントとなります。修了した場合は、積極的に履歴書に記入しておきましょう。
受講中でも記入できる
いま現在、実務者研修を受講している段階であり、まだ修了はしていない状態であっても、履歴書に記入できます。その場合は、修了に向けて学んでいることを伝えるため、「修了見込み」や「受講中」のような表記とするのが望ましいです。
特に未経験者であれば、受講しているだけでも好感を持たれやすいため、積極的に記入することをおすすめします。
実務者研修を履歴書に書く際のポイント
ここでは介護福祉士実務者研修を履歴書に記入する上での書き方のポイントや注意点について、以下の観点から解説します。
- 履歴書の基本
- 正式名称で記入する
- 「修了」として記入する
- 修了・修了見込み・受講中の書き分け
- 他の資格を記入してもよい?
- 「志望の動機欄」でアピールする
履歴書の基本
まず「履歴書」とは、就職や転職をする上で、自身のことを採用する側に知ってもらうための応募書類です。自身の学歴、職歴、免許・資格、志望の動機などを的確に記入する必要があります。
応募書類には、履歴書の他に「職務経歴書」や「エントリーシート」が用いられることもありますが、採用担当者がまず見て重きを置くのは履歴書であることが多いです。
履歴書の書き方の基本やフォーマットについては、ハローワークインターネットサービスの「履歴書・職務経歴書の書き方」に方針がまとめられていますので、あわせてご確認ください。
正式名称で記入する
「実務者研修」というのは簡略化した表現であり、正式名称は「介護福祉士実務者研修」です。履歴書の免許・資格欄に記入する場合は、正式名称の「介護福祉士実務者研修」として記入するのが望ましいです。
「修了」として記入する
実務者研修を履歴書に記入する場合、免許・資格欄に「介護福祉士実務者研修課程 修了」と記入します。
| 年月 | 免許・資格 |
|---|---|
| 平成25年4月 | 普通自動車第一種免許 取得 |
| 令和2年5月 | 介護職員初任者研修課程 修了 |
| 令和3年8月 | 介護福祉士実務者研修課程 修了 |
| 令和5年10月 | 介護福祉士 取得 |
実務者研修や初任者研修などは、厳密には資格ではなく研修となりますので、「修了」として記入します。一方、普通自動車免許のような免許証が交付される資格、もしくは介護福祉士のような独占資格は、「取得」として記入します。
取得・修了した年については、西暦ではなく和暦(元号)で記入しましょう。
記入する順序は、時系列に沿って、先に取得・修了した古いものから上に記入していく方法が一般的です。ただしハローワークからは、応募先企業に対するアピール力の高い順から記載する方法も推奨されています。応募先の職務に直結する資格から記載すると、採用担当者に伝わりやすくなります。
修了・修了見込み・受講中の書き分け
実務者研修の状況によって、記載のしかたが変わります。自分の状況に合わせて書き分けましょう。
- 修了している場合
令和〇年〇月 介護福祉士実務者研修課程 修了 - 修了見込みの場合(もうすぐ修了)
令和〇年〇月 介護福祉士実務者研修課程 修了見込み - 受講中の場合
介護福祉士実務者研修課程 受講中(令和〇年〇月修了予定)
受講中や修了見込みでも、学習意欲の高さを示すポジティブな評価につながります。申し込み前や受講前の段階では無理に書く必要はありませんが、受講が決まっているなら記載してアピールするとよいでしょう。
他の資格を記入してもよい?
履歴書の免許・資格欄には、基本的にどのような資格を記入しても問題ありません。ただし記入枠が限られていますので、多数の資格を保有している人の場合は、できるだけ応募先の職務に関係する資格を優先して記入するのが望ましいです。
介護職へ就職する場合であれば、以下のような介護関連の資格を優先して記入するのが望ましいでしょう。
- 介護福祉士
- 介護職員初任者研修
- 認知症介護基礎研修
- レクリエーション介護士
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
- ガイドヘルパー
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士 など
なお、現在は廃止された「ホームヘルパー2級(訪問介護員2級養成研修)」も、更新の必要がないため履歴書に記載できます。その場合は「訪問介護員2級養成研修課程 修了」と正式名称で記入しましょう。
「志望の動機欄」でアピールする
履歴書の「志望の動機」欄には、その仕事を志望する動機や意欲、アピールポイントなどを記入します。志望の動機欄は、自分をアピールする箇所であり、記述式であるため自由度が高く、腕の見せ所でもあります。
動機や意欲を知ってもらう上で、志望の動機欄に実務者研修に関するエピソードを絡めるのは効果的です。たとえば次のような書き方があります。
・実務者研修で介護過程の展開や医療的ケアの基礎を学ぶなかで、根拠に基づいたケアの大切さを実感しました。学んだ知識を活かし、利用者お一人おひとりに寄り添える介護職として貴施設で力を発揮したいと考えています。
・未経験ではありますが、実務者研修を通じて介護への関心がより高まりました。基礎から丁寧に学んだ姿勢を土台に、一日でも早く現場に貢献できるよう努めてまいります。
実務者研修に有効期限はある?
実務者研修に有効期限はありません。一度修了すれば生涯有効で、更新の必要もありません。
そのため、修了後にブランクがある方や、介護職として再就職を目指す方でも、自信を持って履歴書に記載できます。「以前に修了したけれど、まだ使えるのだろうか」と不安に感じる必要はありません。時間をかけて修了した研修ですので、いつでも堂々とアピールしていきましょう。
実務者研修を履歴書に書くメリット
実務者研修を修了していることを履歴書に記入すると、採用選考を有利に進められることがあります。具体的には、以下のようなメリットが生じます。
- 意欲をアピールできる
- 知識やスキルの証明となる
- 資格制限のある求人に応募できる
意欲をアピールできる
実務者研修の研修時間は、無資格からで450時間以上、期間は6カ月程度が目安です。受講料はスクールや保有資格によって幅がありますが、決して手軽とはいえない時間と費用をかけて修了する研修です。だからこそ、介護に対して一定の意欲や目的意識があることのアピールになります。
特に未経験の場合、志望動機に説得力を持たせる上でも実務者研修は効果的であり、未経験ながら真剣に介護職を目指している人材として、高評価が期待できます。
知識やスキルの証明となる
実務者研修を修了しているということは、介護に関する基礎的な知識、基礎的な実技スキルを身につけていることの証明となります。研修を通じて喀痰吸引・経管栄養といった医療的ケアの基礎知識も学ぶため、その学習歴を示すことにもつながります。
ただし、実務者研修を修了しただけで、現場ですぐに喀痰吸引や経管栄養を実施できるわけではありません。実際に業務として行うには、修了後に実地研修を受け、都道府県への認定登録や勤務先の事業所登録が必要です。履歴書では「医療的ケアの基礎を学んだ」という事実を、正確に伝えるとよいでしょう。
資格制限のある求人に応募できる
介護求人の中には「実務者研修修了者のみ」のように、応募資格が制限されている求人もあります。特に「特別養護老人ホーム」のような施設では、実務者研修もしくは初任者研修の修了が条件となっていることが多いです。
実務者研修を修了していれば、そのような資格制限のある求人にも応募でき、就職先の選択肢が広がります。
実務者研修の履歴書に関するよくある質問
受講中でも実務者研修を履歴書に書けますか?
はい、書けます。まだ修了していない場合は「修了見込み」または「受講中(令和〇年〇月修了予定)」と記載します。受講中であっても、学習意欲の高さを示すアピールになります。
「取得」と「修了」はどちらで書けばよいですか?
実務者研修や初任者研修などの研修は「修了」と書きます。一方、介護福祉士のような独占資格や、普通自動車免許のように免許証が交付されるものは「取得」と書きます。実務者研修は「介護福祉士実務者研修課程 修了」と記載しましょう。
実務者研修に有効期限はありますか?
ありません。実務者研修は一度修了すれば生涯有効で、更新の必要もありません。ブランクがある方や再就職を目指す方でも、そのまま履歴書に記載できます。
実務者研修は積極的にアピールすべき研修!
以上のように、介護福祉士実務者研修は履歴書に書いて問題なく、むしろ積極的に記入したい研修修了歴です。
介護業界である以上、採用する側も実務者研修の価値や内容を理解していますので、履歴書に実務者研修の記載があれば、選考を有利に進めやすくなります。面接での会話のネタになることもありますので、特に未経験の人、他にアピールする介護関連の資格がない人の場合は、実務者研修を修了していることを積極的にアピールしていきましょう。
これから実務者研修の受講を考えている方は、実務者研修コースの詳細もあわせてご確認ください。

