介護に関係する資格は、介護職員初任者や介護福祉士実務者など、様々なものがあります。
中でも介護福祉士の資格は、介護職で唯一の国家資格として定められています。
介護福祉士の資格を保持していると、現場でもリーダー的な仕事を任せてもらえるほか、給与面で資格手当が加算される施設もあります。
介護に携わる人であれば誰もが取得を目指したい介護福祉士の資格ですが、介護福祉士国家試験には細かい受験資格が定められています。
そこで今回は、介護福祉士の国家資格を目指す際の受験資格について詳しくご紹介いたします。
介護福祉士になるためのルートは、大きく分けて4パターン!
介護福祉士の国家試験を受験するための受験資格は、大きく4パターンに分類することができます。
自分自身が現在どのような立場にいるのかを確認して、受験資格を確認していきましょう。
1.養成施設ルート
まずはじめにご紹介するのは、高等学校を卒業した後に養成施設にて介護を学ばれた方に関する受験資格です。
介護福祉士養成施設で2年以上の研修
福祉系大学等に進学後、介護福祉士養成施設で1年以上の研修
社会福祉士等養成施設等に進学後、介護福祉士養成施設で1年以上の研修
保育士養成施設等に進学後、介護福祉士養成施設で1年以上の研修
これらの経歴に該当する方は、実技試験免除で、筆記試験の結果をもって介護福祉士の国家資格を取得することができます。
2.実務経験ルート
現在すでに介護現場で働いていらっしゃる方に目指していただきたい受験資格が、実務経験ルートです。
介護職員実務者の資格+実務経験(従事期間3年以上かつ従事日数540日以上)
介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修の修了+実務経験(従事期間3年以上かつ従事日数540日以上)
介護現場で3年以上勤務しており、上記のいずれかの要件を満たしている方は、筆記試験だけで介護福祉士の資格を取得することが可能です。
特に福祉に関連する学校や養成施設を卒業していない社会人の方が介護福祉士という国家資格を目指す場合は、この実務経験ルートが唯一のルートとなります。
従事期間と従事日数は、1月に実施される国家試験の後、3月31日までを通算することができますが、従事期間と従事日数の両方の条件を確実に満たしている必要がありますので注意しましょう。
また育休や産休に関しても、介護施設に在籍している間は従事期間としてカウントされますが、介護の実務に当たっていない限り、従事日数としてはカウントされません。
実務経験に含まれる業務内容
介護福祉士の受験資格で定められている「実務経験」とは、介護業務を担当している介護職員や訪問介護員、また看護補助者となっています。
「介護施設に勤務していても事務作業しかしていない」という場合や、看護師、リハビリスタッフなどは、受験資格に該当する実務経験として認められません。
実務経験があるならパート職員でも受験可能!
介護福祉士の国家試験を実務経験者として受ける際の受験資格に、雇用形態の制限はありません。
正社員であってもパートタイム勤務であっても、従事期間3年(1095日)以上かつ従事日数540日以上であれば等しく受験機会が与えられます。
また従事日数の規定はありますが、1日あたりの従事時間に対する規定はありませんので、出産や育児を理由に時短勤務をしている方であっても受験資格が与えられます。
介護福祉士の資格取得をきっかけに正社員登用の交渉などもしやすくなりますので、現在はパートやアルバイトとして介護に携わっている方にも、介護福祉士試験の受験はおすすめです。
受験の際は必ず「実務経験証明書」を準備しよう
介護業務を中心に業務にあたっている日数が、従事期間3年(1095日)以上かつ従事日数540日以上であることを証明するための書類が、実務経験証明書です。
実務経験日数は複数の職場での勤務歴を合算することも可能ですが、実務経験証明書は必ず施設長に作成してもらう必要がある書類です。
申込手続き時に受験申込書や受験写真と一緒に郵送する必要がありますので、必ず期日までに用意しておきましょう。
3.福祉系高校ルート
福祉系高校とは、カリキュラムや実習施設などが、介護福祉士養成課程の基準を満たしているとして、文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定を得ている、高等学校及び中等教育学校の総称です。
平成21年度以降に福祉系高校に入学された方は卒業に際して自動的に受験資格が与えられ、筆記試験のみ(実技試験免除)で受験することができますので、比較的早期に介護福祉士の資格を取得することができます。
「特例高校を卒業し、実務経験が9ヶ月以上ある方」もしくは「福祉系高校に平成20年度以前に入学された方」も受験資格は与えられますが、特定の科目の履修状況によって実技試験が必要になるのか、免除になるのか条件が異なります。
4.経済連携協定(EPA)ルート
経済連携協定のシステムを利用して海外から働きにきている実習生が、社会福祉士の国家資格を目指すためのルートが、EPAルートです。
EPA介護福祉士候補者の資格と、3年以上の実務経験が必要になります。
福祉系高校ルートと同様に、履修科目によって実技試験の要・不要が異なります。
参考:介護福祉士国家試験(公益財団法人社会福祉振興・試験センター)
介護福祉士を実務経験ルートで目指すなら、まずは介護職員実務者を目指そう!
介護系の学校を修了していない方が介護福祉士を目指す上では、実務経験に加えて「介護職員実務者」の資格が必要になります。
介護職員実務者の資格は、介護職員初任者の資格から1ステップ上がった内容になっており、スクールで規定の内容を学ぶ必要があります。
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