介護職員初任者研修の費用はいくら?助成金でお得に受講する方法も解説

介護職員初任者研修は、介護現場における新入職員や未経験者を対象とした研修プログラムです。受講することで、介護現場で求められる基礎的な知識やスキルが習得でき、安心・安全なサービス提供につながります。

初任者研修の受講にあたり、多くの方がまず気になるのは費用ではないでしょうか。

今回は初任者研修の費用や、お得な助成金制度について解説していきます。
費用の相場から助成金の申請方法まで詳しくみていきましょう。

初任者研修の費用相場

初任者研修の費用は、研修を提供するスクールのプランや地域によって異なります。費用相場は3万円から10万円以上と幅広いです。

また、初任者研修は通信学習のみで取得することはできず、通学が必須です。通学の際には、受講料に加えて交通費などがかかります。事前に受講先の研修内容や場所などの詳細を確認しましょう。

受講費用に幅がある理由は?

初任者研修の費用相場は3万円から10万円以上と幅広いです。

研修内容は、厚生労働省から指定されているため、受講費用によって内容が変更されることはありません。

では、初任者研修の受講費用に幅がある理由は何でしょうか。

研修期間の違い

初任者研修で指定されているカリキュラムは、130時間分の講義・実技演習です。

1日に何時間受講するかにより、研修の期間が異なります。研修期間が長くなるほど、受講費用は高くなる傾向があります。

教材の違い

初任者研修は、厚生労働省から指定された基礎的な介護知識や技術を習得するための研修であり、スクールによって講座内容が大きく異なることはありません。

しかし、教材は厚生労働省からの指定がなく、受講するスクールにより異なります。多くのスクールが用意しているのは、テキスト教材です。中には、事例や図解などで理解しやすい工夫がされていたり、カラー版で読みやすい工夫がされていたりする場合があります。

教材が充実している場合には、教材費が高くなり、受講費用が上がる傾向があります。

サポート内容の違い

各講座により、サポート内容が異なります。例えば、マンツーマンでいつでも質問ができる体制が整っている講座や、急なキャンセルでも無料で振替ができる講座などがあります。

サポート内容が充実している講座ほど、受講費用は高くなる傾向があります。

地域や施設の違い

講座が行われる地域や施設によっても費用が異なる場合があります。

例えば、都市部にある講座の方が、地方の講座よりも費用が高い傾向があります。

また、施設が駅に近くアクセスの良い立地にあったり、広い施設を数人でのびのびと利用する場合には費用が高くなる傾向があります。

初任者研修の助成金制度

助成金制度は、受講費用の一部を負担してくれる制度であり、受講者にとっては大きな支援となります。

助成金制度を設けているのは、都道府県や市区町村、国などです。

助成金制度の中でも代表的な4つの制度を紹介します。ただし、各自治体により内容が異なるため、詳細はお住まいの地域で確認しましょう。

都道府県・市区町村の助成金制度

都道府県や市区町村によっては、初任者研修にかかる費用の一部を助成する制度が設けられています。

助成金の上限金額や対象となる受講者の条件は、自治体によって異なります。

他の制度よりも条件が厳しくなく、受給しやすい制度だといえるでしょう。

東京都や神奈川県を例に挙げると、テキスト代の一部をのぞき全額負担してくれるため、受講者にとって大きな支援になります。

助成金の金額や申請方法は、各自治体のウェブサイトや担当窓口で確認することができます。

職業訓練受講給付金

職業訓練受講給付金は、厚生労働省が設ける制度で、初任者研修を含む職業訓練の受講費用を一部補助する制度です。

具体的には、職業訓練を受けるための費用の一部が、給付金として支給されます。給付金の支給額は、受講する職業訓練の種類や期間、受講者の家族構成や所得などによって異なるため確認が必要です。

また、受給するには以下のような条件を満たす必要があります。

  • 受講する職業訓練が、厚生労働省が認定したものであること
  • 受講者が、訓練期間中は職業訓練に参加することができる年齢であること
  • 受講者が、職業訓練に参加するために必要な資格や能力を有していること
  • 受講者が、職業訓練期間中は、労働者として就業していないこと
  • 受講者が、受給の対象となる給付金の支給要件を満たしていること

職業訓練受講給付金は、厚生労働省が直接支給するわけではありません。受講者は、所在地のハローワークや自治体の担当窓口で手続きを行い、支給申請をします。申請に必要な書類や手続きについては、各担当窓口で案内されます。

他の助成金や給付金と併用することも可能です。返済義務がないため、条件に一致する方は積極的に活用すると良いでしょう。

詳しい内容は、所在地の自治体やハローワークなどで確認できます。ウェブ上では、厚生労働省のハロートレーニング特設サイトで確認できます。また、受給申請に必要な書類や手続きについても、詳細が案内されているので利用を検討する際にはご確認ください。

教育訓練給付金制度

教育訓練給付金制度は、就職や転職のために職業能力を向上させるための教育訓練を受ける人に対して、訓練費用の一部を支給する制度です。運用しているのは、厚生労働省です。

教育訓練給付金を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 受講する教育訓練が、厚生労働省が認定したものであること
  • 受講者が、訓練期間中は教育訓練に参加することができる年齢であること
  • 受講者が、教育訓練に参加するために必要な資格や能力を有していること
  • 受講者が、教育訓練期間中は、労働者として就業していないこと
  • 受講者が、受給の対象となる給付金の支給要件を満たしていること

教育訓練給付金の支給額は、受講する教育訓練の種類や期間、受講者の家族構成や所得などによって異なります。支給額は、訓練費用の実費のうち、最大で2/3までです。

教育訓練給付金を受けるためには、ハローワークなどの公共職業安定所に申請をし、申請が承認された場合に支給されます。申請に必要な書類や手続きについては、各公共職業安定所で案内されます。

教育訓練給付金は、他の助成金や給付金と併用することが可能であり、返済義務はありません。ただし、一部の補助金との併用には制限があるので、申請前に確認することが必要です。

詳しい内容は、所在地の自治体やハローワークなどで確認できます。ウェブ上では、厚生労働省のハロートレーニング特設サイトで確認できます。

母子家庭等自立支援教育訓練給付金制度

母子家庭等自立支援教育訓練給付金制度とは、厚生労働省が設けている母子家庭や父子家庭を支援する制度です。シングルマザー・シングルファザーが自立して生計を立てるための教育訓練を受ける際に給付金を受け取れます。

主に給付されるのは、受講費用・生活費・児童扶養費です。給付金の額は、受講する教育訓練の期間や内容、受給者の状況によって異なりますが、一定の上限額が定められています。

利用の際には、一定の条件を満たす必要があります。主な要件は以下の通りです。

  • 受給者は、母子家庭や父子家庭、孤立している若年者、及びそのほか生計を独立して立てることが困難な人々であること
  • 受講する教育訓練は、就職や起業、生計の独立に必要なものであること
  • 受講する教育訓練は、公的な教育訓練機関や、認定を受けた民間の教育訓練機関であること
  • 受給者は、教育訓練期間中に受講に専念できる環境であること

詳しい内容は、所在地の自治体やハローワークなどで確認できます。ウェブ上では、厚生労働省のハロートレーニング特設サイトで確認できます。

助成金の申請方法

助成金制度を利用する場合は、制度に応じた申請手続きが必要です。申請手続きには、事前の準備が必要です。例えば、申請書や必要書類の提出、指定口座の開設などが挙げられます。助成金制度を利用する場合は、申請手続きの締め切りや条件などに注意しましょう。

詳細はお住まいの地域の介護保険担当窓口や市区町村役場の福祉課、ウェブサイトなどで確認しましょう。

助成金制度を活用してお得に初任者研修を受講しよう

初任者研修は、介護職の基礎となる知識や技能を身につけるために必要な研修です。費用相場は、3万円から10万円以上と幅広く設定されています。教材やサポート内容により、費用が異なるため、自分に合った講座を予算と相談しながら選びましょう。

また、助成金制度を活用すれば、費用の負担を軽減できます。助成金制度を設けているのは、地方自治体や国です。各制度によって補助内容や申請方法が異なるため、利用する際には事前に確認しましょう。

費用相場と助成金制度を比較検討し、自分に合った方法で受講することが大切です。

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