初任者研修と実務者研修の違いとは?資格を取得した人の違いも解説 

介護の資格の中に初任者研修と実務者研修があります。

どちらも介護の知識・スキルアップができる資格ですが「初任者研修と実務者研修の違いは何?」と疑問を抱く方もいるでしょう。

今回は「初任者研修と実務者研修の違い」を解説しながら「資格を取得した人の違い」と「どちらの研修が向いているか」についても紹介します。

初任者研修と実務者研修の違いとは?

初任者研修と実務者研修の違いは、以下の4つがあります。

1.受講内容

2.受講時間

3.料金

4.修了試験の有無

各研修の4つの違いを順に説明します。

1.受講内容

初任者研修と実務者研修は受講内容が異なります。

初任者研修は介護の基礎的な知識・スキルを学びます。

実務者研修は初任者研修で学ぶ内容に加え、より専門的な介護の知識・スキルを学ぶことが可能です。

さらに、痰の吸引や経管栄養といった医療ケアも可能になるため、施設や在宅など活躍の場が広がります。

痰の吸引とは、自力で痰が喀出できない人に対して、機械につないだ管を口・鼻・気管から挿入して痰を取り除く方法です。経管栄養とは、口から栄養がとれない人に対して、胃や腸に繋がっている管から栄養を投与する方法をいいます。

2.受講時間

初任者研修よりも実務者研修の方が受講時間が長く、初任者研修の受講時間は130時間、実務者研修の受講時間に関しては450時間を要します。

実務者研修は上記の時間に加えて、医療的ケアの座学と演習の時間が12~15時間あります。

受講時間が異なるので取得できるスピードも違い、初任者研修の資格の方が短い期間で取得が可能です。

各研修にかかる期間は、初任者研修は最短コースで1ヶ月、実務者研修はおおよそ4ヶ月と、資格取得までにかかる期間にかなり差があります。

3.料金

初任者研修と実務者研修はかかる料金が異なります。

スクールによって料金は異なりますが、おおよその目安は初任者研修にかかる費用が約6万~8万円、実務者研修にかかる費用については約10万~20万円です。

受講内容が多く、時間が長い実務者研修のほうが費用はかかります。

4.修了試験の有無

初任者研修には修了試験があり、実務者研修には修了試験がありません。

修了試験では研修で学んだ内容が出題されます。落とすための試験ではないため、難易度は高くありません。

また、不合格となった場合でも、再試験を受けることが可能です。

実務者研修は介護福祉士国家試験の必須要件

実務者研修は介護福祉士国家試験の必須要件です。

介護福祉士は介護の資格の中で唯一の国家資格であり、国家試験に合格しないと取得できません。

介護福祉士の資格を取得することで、さらなる介護の知識・スキルアップが可能です。加えて、働く場所の選択肢が広がることや、給料アップやキャリアップに繋がるといったメリットもあります。

なお、介護福祉士国家試験の受験要件は、実務者研修の資格に加え、介護の実務経験が3年以上と定められています。

初任者研修と実務者研修は誰でも受けることができる

初任者研修と実務者研修は、誰でも受けることができる点が共通しています。

どちらの研修も介護の経験、資格、学歴問わず受講可能です。なお、年齢は16歳以上と定められています。

新卒で介護職に就かれた方もいますが、誰でも活躍できる場であるため、幅広い年代と異なる経歴の方が活躍しています。

各資格を取得している人の違い

初任者研修と実務者研修の資格を取得している人の違いを紹介します。

違いは以下の3つです。

1.提供可能な介護サービス

2.給料

3就くことができる役職

各資格を持っている人の3つの違いを紹介します。

1.提供可能な介護サービス

実務者研修の資格を取得されている方は、専門的な知識に加え、痰の吸引や経管栄養が可能なため、重症なクライアントの介護ができます。

2.給料

初任者研修と実務者研修の差は、給料にも表れます。

以下の表は厚生労働省による介護職員の平均給与額の状況です。

初任者研修と実務者研修の資格がある人の給料を比較すると、実務者研修の資格がある人の方が平均給与は高いことが分かります。

参考・引用)▶厚生労働省 介護職員の平均給与額の状況(月給・常勤の者・保有資格別)

3.就くことができる役職

実務者研修の資格を取得するとキャリアアップに繋がります。

キャリアアップのひとつに、介護事業所に必要な「サービス責任者」になることができます。サービス責任者はケアマネージャーとの連携、介護職員への指導も行うリーダー的存在です。

初任者研修と実務者研修はどちらがよい?

初任者研修と実務者研修の違いを紹介しましたが「どちらを受講しよう?」と迷われている方もいるでしょう。

各研修学ぶ内容や時間、料金も異なり「取得するとよい資格」というのは、人によっても異なります。そのため、自分にとってどちらの資格が合っているのか考えることが大切です。

どちらの資格が合うのか、以下を読んで参考にしてみてください。

基礎的な知識・スキルをつけたい方は初任者研修

初任者研修は介護の基礎的な知識・スキルが身につくため、基礎を学びたい方は初任者研修がよいでしょう。

介護未経験の方や、介護職員として日が浅い方は、段階的に学べる初任者研修の方が安心して受講ができます。もちろん、ベテランの方でも初任者初任者研修から学んでかまいません。

また「介護福祉士の資格やキャリアアップまでは考えていない」という方も、初任者研修がよいでしょう。実務者研修の内容は専門的であり、期間も費用もかかりるため、何かしらの目標がないと受講を続けるのは難しいかもしれません。

高度な知識・スキルを身に付けたい人は実務者研修

高度な知識・スキルを身に付けたい人は、実務者研修が向いているでしょう。

実務者研修では基礎的な内容に加え、高度な介護の知識・スキルが学べます。介護の現場でのアセスメント力が深まり、よりクライアントに適したサービスの提供が可能です。

また、実務者研修の資格を取得することで、活躍する場が広がり、給料アップやキャリアアップに繋がる可能性があります。

初任者研修と実務者研修の違いを理解して受講しよう

今回は「初任者研修と実務者研修の違い」を解説しました。

初任者研修と実務者研修は、学ぶ内容・時間・料金が異なります。

初任者研修は基礎的な介護の知識・スキルを学べ、資格取得までにかかる期間も少なく、料金を抑えられます。一方、実務者研修は資格取得までに期間と料金がかかりますが、高度な介護の知識・スキルを学ぶことが可能です。資格が異なるため、現場で活躍できる場などに差が生じます。

初任者研修と実務者研修の違いを理解した上で、どちらの資格を取得するのか考えましょう。


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