初任者研修を受けずに実務者研修は受けられる?飛ばしていい人と注意点

「初任者研修を受けていないけれど、実務者研修から始めていいのだろうか」。介護福祉士をめざす方から、よくいただく質問です。

結論から言うと、初任者研修を受けずに実務者研修を受けることはできます。ただし、飛ばしていい人と、先に初任者研修を受けたほうがいい人がいます。この記事では、その判断の目安と、飛ばす場合に知っておきたい注意点を整理します。

この記事の要点

  • 初任者研修を受けていなくても、実務者研修は受講できる
  • 飛ばしていいかは目標と実務経験で決まる、目安は1年
  • 飛ばすと修了まで無資格扱い、450時間を一気に学ぶ

初任者研修を受けずに実務者研修は受けられる

実務者研修に受講資格の制限はなく、初任者研修を修了していなくても、無資格の方でも受講できます。

初任者研修と実務者研修は、どちらも学歴や実務経験を問わず、誰でも受講できる研修です。実務者研修は初任者研修の「上位」に位置づけられていますが、初任者研修が受講の前提条件になっているわけではありません。

実務者研修は、初任者研修の内容を含む上位の研修

実務者研修は450時間の研修で、初任者研修で学ぶ介護の基本を含んだうえで、介護過程の展開や医療的ケアの基礎まで学びます。つまり、実務者研修を修了すれば、初任者研修で学ぶ内容もカバーされます。

だから、実務者研修だけを受けても、あとから初任者研修を受け直す必要はありません。この点が、「飛ばしても問題ない」と言える理由です。

逆に、初任者研修があると実務者研修は130時間短くなる

初任者研修を修了している方が実務者研修を受ける場合、初任者研修で学んだ130時間分の科目が免除されます。学習時間は450時間から320時間になり、受講料も下がります。

旧ヘルパー1級・2級や介護職員基礎研修をお持ちの方も、保有資格に応じて免除される科目があり、受講期間が短くなります。免除の内容と受講料は、実務者研修コースのページで保有資格別に確認できます。

初任者研修を飛ばしていい人、先に受けたほうがいい人

介護福祉士を明確にめざしていて実務経験が1年以上ある方は飛ばして問題ありません。未経験や経験1年未満の方は、先に初任者研修を受けたほうが負担が軽くなります。

飛ばしていい人

次のような方は、初任者研修を飛ばして実務者研修から始めても無理がありません。

  • 介護福祉士国家試験を受けると決めていて、最短で受験資格を得たい方
  • 無資格で介護の仕事を始めて、実務経験が1年以上ある方(基本は現場で身についている)
  • 研修を2回に分けるより、一度にまとめて学びたい方

介護福祉士国家試験を実務経験ルートで受験するには、実務経験3年以上と実務者研修の修了が必要です。初任者研修の修了は要件に含まれていません。詳しくは社会福祉振興・試験センターの受験資格ページで確認できます。

先に初任者研修を受けたほうがいい人

次のような方は、まず初任者研修を修了してから実務者研修に進むほうが、結果として楽に進められます。

  • 介護の仕事が未経験、または実務経験が1年未満の方
  • まず短期間で一つ修了して、自信をつけてから次に進みたい方
  • 仕事や家庭との両立が心配で、学習の負担を2回に分けたい方
  • 実務者研修を修了するまでの間、無資格のままでいたくない方

初任者研修は130時間で、最短1か月程度で修了できます。先に修了しておけば、実務者研修は320時間に短縮されるので、合計の学習時間は変わりません。分けて受けるか、一度に受けるかの違いです。

給与の面では、初任者研修と実務者研修の差は小さい

「初任者研修を飛ばすと給与で不利になるのでは」と心配する方もいますが、平均で見ると差は小さいです。厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、介護職員の平均給与額は保有資格によって差があります。無資格の方と介護福祉士では、月額で約5万円の差があります。一方で、初任者研修修了者と実務者研修修了者の差は数千円程度です。

つまり、給与に大きく効くのは介護福祉士まで進むことです。初任者研修を飛ばすかどうかは、給与よりも「学び方の負担」と「修了までの期間」で決めるのが現実的です。なお、資格手当の有無や金額は事業所ごとに異なります。

飛ばす場合に知っておきたい3つの注意点

初任者研修を飛ばすなら、学ぶ量・修了までの無資格期間・国家試験対策の時間の3つを、事前に想定しておくと失敗しません。

1. 学ぶ量は450時間、無資格の方で6か月程度かかる

免除がないので、450時間をすべて学びます。無資格の方で修了まで6か月程度が目安です。多くのスクールが自宅学習と通学を組み合わせており、土屋ケアカレッジでは通学は7日で、残りは自宅学習で進めます。

介護が未経験の方は、介護の基本と専門的な内容を同時に学ぶことになります。自宅学習の時間を毎週確保できるかを、申込前に考えておきましょう。

2. 修了するまでは「無資格」扱いになる

初任者研修を受けずに実務者研修を受講中の方は、修了するまで保有資格がない状態です。事業所によっては、資格手当の対象外となる期間が6か月程度続くことになります。

手当の有無や金額は事業所ごとに異なるため、勤務先に確認しておくと安心です。この期間が気になる方は、先に初任者研修を修了する選択も検討しましょう。

3. 修了試験と、国家試験対策の時間を確保する

実務者研修は、修了試験を設けているスクールが多く、土屋ケアカレッジでも修了試験に合格すると修了証明書が発行されます。学んだ内容の確認が目的で、難易度は高くありません。

気をつけたいのは、介護福祉士国家試験との兼ね合いです。試験直前まで実務者研修に追われると、仕事・研修・試験対策の3つを同時に抱えることになります。受験する年の前に余裕をもって修了しておくと、試験対策に集中できます。

両方受けるなら、初任者研修が先。セット受講で費用も抑えられる

両方受ける予定なら、初任者研修を先に修了して130時間の免除を受け、セット受講の割引を使うのが費用と期間の両面で有利です。

土屋ケアカレッジには、初任者研修と実務者研修のセット割があります。内容と条件は初任者研修+実務者研修セット割のページでご確認ください。

2つの研修の違いそのものを詳しく比べたい方は、初任者研修と実務者研修の違いの解説もあわせてお読みください。

土屋ケアカレッジで実務者研修を受けるなら

土屋ケアカレッジの実務者研修は無資格の方で税込75,000円、初任者研修をお持ちなら64,000円です。追加費用はありません。

保有資格別の受講料

保有資格受講料(税込・テキスト代込)
無資格の方75,000円
初任者研修・ヘルパー2級をお持ちの方64,000円
看護師・准看護師の方60,000円
ヘルパー1級をお持ちの方55,000円
介護職員基礎研修を修了した方35,000円

最新の受講料は保有資格別の受講料一覧でご確認ください。

働きながら通える仕組み

学習の大半は自宅のeラーニングで進められ、通学は7日です。やむを得ず通学できなくなった場合は、別コースでの振替受講が無料です。振替には条件があり、振替先の空席状況や日程によりご希望に沿えない場合があります。

教育訓練給付金の対象講座もあります。一般教育訓練給付金は、雇用保険の被保険者期間など一定の条件を満たす方が対象です。対象講座を修了すると、受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。制度の概要は政府広報オンラインの案内で確認できます。対象コースと受給要件は、講座ページとハローワークでご確認ください。

修了後に希望する方へ、土屋グループの介護事業での就業サポートも行っています。就業は面接を経て決まるため、採用を保証するものではありません。

実務者研修で学ぶ医療的ケアは、修了だけでは行えない

実務者研修で喀痰吸引・経管栄養の基礎を学びますが、修了しただけでは利用者の方に医療的ケアを行うことはできません。

喀痰吸引と経管栄養は、2012年の社会福祉士及び介護福祉士法の改正で対象になった医療的ケアです。一定の条件のもと、介護職員も行えるようになりました。現場で実際に行うには、修了後に次のステップが必要です。

現場で医療的ケアを実施するまでの4ステップ
  1. 実務者研修の医療的ケア(基本研修にあたる部分)を修了する
    喀痰吸引等研修の基本研修に相当する部分を学びます。
  2. 実地研修を受ける
    登録研修機関で、指導看護師などの指導のもと実地研修を受けます。
  3. 都道府県に「認定特定行為業務従事者」として登録する
    登録が認められると、認定証が交付されます。
  4. 勤務先が「登録特定行為事業者」であること
    自分自身の認定に加えて、勤務先の事業者登録がそろって初めて実施できます。

制度の詳細は厚生労働省「喀痰吸引等制度について」で確認できます。土屋ケアカレッジを運営する株式会社土屋は、全国で重度訪問介護を行っています。修了後の喀痰吸引等研修(第3号研修)や実地研修についても相談できます。

初任者研修を飛ばすことについてよくある質問

Q. 介護の経験がまったくなくても、実務者研修から始めて修了できますか?

A. 受講は可能で、修了している方もいます。ただし、介護の基本と専門的な内容を450時間で一度に学ぶため、自宅学習の時間を毎週確保できるかが鍵になります。不安な方は、先に初任者研修で基本を固めてから進むほうが負担は軽くなります。

Q. 初任者研修を飛ばすと、介護福祉士国家試験の受験で不利になりますか?

A. 不利にはなりません。実務経験ルートの受験資格は「実務経験3年以上」と「実務者研修の修了」で、初任者研修の有無は問われません。実務者研修は初任者研修の内容を含む研修なので、学ぶ内容の面でも十分です。

Q. 教育訓練給付金は使えますか?

A. 土屋ケアカレッジには教育訓練給付金の対象講座があります。雇用保険の被保険者期間など一定の条件を満たす方が対象講座を修了すると、受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。対象コースと受給要件は、講座ページとお住まいを管轄するハローワークでご確認ください。

まとめ|飛ばせるかどうかより、自分に合う順番で

初任者研修を受けずに実務者研修は受けられます。介護福祉士を明確にめざし実務経験が1年以上あるなら飛ばして、未経験や経験1年未満なら初任者研修から、が目安です。

飛ばす場合は、3つを想定しておきましょう。450時間を一度に学ぶこと、修了までは無資格扱いになること、国家試験対策の時間を確保することです。

どちらの順番でも、合計で学ぶ時間は変わりません。自分の経験と目標に合う順番を選ぶことが、無理なく修了するいちばんの近道です。

初任者研修なしで実務者研修から始めたい方へ

土屋ケアカレッジの実務者研修

無資格の方も受講でき、受講料は税込75,000円、テキスト代込みで追加費用はありません。学習の大半は自宅で進められ、通学は7日だけ。振替受講は無料で、教育訓練給付金の対象講座もご用意しています。初任者研修から順に受けたい方にはセット割もあります。

こんな方におすすめ

  • 介護福祉士をめざして、実務者研修から一気に進みたい方
  • 初任者研修を先にするか迷っていて、相談しながら決めたい方
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